指揮:ホセ・アレアン 指揮:ホセ・アレアン

日本で滅多に演奏機会のない20世紀のメキシコ音楽を特集した貴重なコンサート「メキシコ音楽の祭典」が、東京オペラシティ(東京・初台)で行われる。

「メキシコ音楽の祭典」の公演情報

メキシコのクラシック音楽の起源は16世紀半ば。スペインの植民地時代に教会音楽が演奏されたことに遡る。その後、19世紀後半にはヨーロッパ留学を終えた作曲家や演奏家たちによってメキシコ国内でのクラシック音楽の普及が促進され、20世紀初頭のメキシコ革命後、民族主義的な音楽文化の開花へと繋がっていく。

今回のプロジェクトでは、マヌエル・M・ポンセ(1882-1948)、シルベストレ・レブエルタス(1899-1940)、カルロス・チャベス(1899-1978)ら、20世紀メキシコを代表する作曲家たちの室内楽とオーケストラ作品に焦点を当てる。

初日の「室内楽の夕べ」は、ギター、ヴァイオリン、ピアノ、歌というバラエティに富んだ編成。「近代メキシコ国民楽派の父」ポンセの作品からは、有名な歌曲《エストレジータ》をはじめ、セゴビアのために書かれたギター曲《南のソナチネ》、ヴァイオリンの小品《ソナタ・ブレーベ》などを取り上げる。また、生前はヴァイオリニストとしても活躍したレブエルタスがに書いた《3つの小品》や、チャベスのギター曲やピアノ曲、グリーバー(1894-1951)、アルメンゴール(1914-2002)、ベラスケス(1935-2004)ら、様々な作曲家の小品が披露される。

2日目の「オーケストラ・コンサート」は、レブエルタスの代表作《センセマヤ》で幕開け。ポンセがヘンリク・シェリングのために書いた《ヴァイオリン協奏曲》と、優れた交響曲作家として知られるチャベスの超難曲《ピアノ協奏曲》の日本初演。クライマックスは熱狂的な打楽器と猛々しく咆哮する管楽器が圧巻のレブエルタス《マヤ族の夜》。野性的なエネルギーが炸裂するこの作品は、まさにメキシコ版《春の祭典》といえる傑作で、ラテン・アメリカ音楽ファンに極めて人気も高い。

指揮者、ソリストにはメキシコの若手実力派をキャスティングし、メキシコ音楽の真髄に迫る本コンサート。甘美なメロディ、躍動するリズムに彩られる「メキシコ音楽の祭典」は、3月28日(金)・30日(日)に東京オペラシティ(東京・初台)で開催。チケットは発売中。

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます