<地域No.1店舗の売れる秘訣・ドスパラ大宮店>商業中心地でマニアを囲い込む ライバルは秋葉原電気街

2014.3.25 11:37配信

さいたま市の商業の中心地である大宮にあるドスパラ大宮店は、自作パソコン/ゲームユーザーなどのパソコンマニアの囲い込みに成功している。ほかの店舗にはない商品を厳選して揃え、常連客が東京の秋葉原電気街などに行かなくてもすむ環境を整えているからだ。最近は、スマートフォンアクセサリをはじめ、ドスパラが運営する通販サイト、上海問屋のユニークなパソコン周辺機器を取り扱い始めたことで、徐々に家族連れも来店するようになってきた。(取材・文/佐相彰彦)

ドスパラ大宮店

店舗データ

住所 埼玉県さいたま市大宮区宮町2-65 和久津ビル1F

オープン(移転)日 2005年2月25日

売り場面積 約130m2

従業員数 4人

●県内随一のターミナル駅 オフィス街とベッドタウンの顔

JR京浜東北線や埼京線、上越新幹線や東北新幹線が停車し、東武野田線や埼玉新都市交通伊奈線など、合わせて13の在来線と新幹線が乗り入れる大宮駅。駅前周辺には、多くの企業がオフィスを構え、そごう大宮店などの百貨店や飲食店が建ち並ぶ。交通の便がいいことから、昼間人口は15万超。ベッドタウンとしても最適で、さいたま市大宮区の人口は10万人規模だ。

この昼間人口と住民の数をシェア拡大の柱になると捉えた家電量販店が、ビックカメラ。2003年11月21日、そごう大宮店のパーキング館に、大宮西口そごう店をオープンした。今ではすっかり地元に定着し、毎日多くのお客様が来店する。ビックカメラグループとしては、ファッションビルのアルシェの1階と地下1階にソフマップ大宮店を構えており、パソコンユーザーを中心に賑わっている。

かつては西口にヨドバシカメラが店を出していたが、現在は地区内に大手のライバルはおらず、家電量販店はビックカメラグループの独壇場といっていい。こうした状況にあって、自作パソコンユーザーを中心にしっかりと常連客を確保しているのが、ドスパラ大宮店だ。2000年5月26日に、大宮駅西口にオープン。当初からパソコンユーザーや自作ユーザーなどを常連客として獲得した。その後、店舗が手狭になって、2005年2月25日に移転。大宮駅から徒歩10分程度と駅からは遠くなったが、常連客は離れなかった。以前は大宮店でスタッフとして働き、本社のバイヤーや秋葉原の店舗を経験して、再び大宮店に戻ってきた太田正史店長は、「以前働いていたときに頻繁に足を運んでくださったお客様が、今も来店してくれている」と、常連客とは信頼でつながっていることをアピールする。

●常連客に響く商品を揃える 気軽に購入できる小物も充実

ドスパラ大宮店の常連客を、太田店長は「目利きの方が多い」と評する。だから、「マザーボードを中心に、秋葉原電気街で売れ筋の商品を厳選して揃えている」。最新の情報は、秋葉原にも店舗があるドスパラ社内の情報網と「お客様とのコミュニケーションで収集している」そうだ。常連客は、ドスパラ大宮店だけに来店しているわけではなく、秋葉原電気街にも通う人たちばかり。それでも、ドスパラ大宮店に通うのは、「当店のスタッフが、売れ筋のマザーボードをどのように評価しているのかを聞きたがっているから」だという。

お客様からの信頼は、新規客をリピーターにする効果をもつ。「初めて来店されるお客様は、デジタルカメラで撮影した画像の処理がストレスなくできて、しかも価格が安いパソコンを探していて、インターネットの情報やクチコミで当店を知ったという方が多い。実は、『これまでドスパラの存在を知らなかった』という方もいる」(太田店長)。こうしたお客様には、「それぞれの機能がどのような用途に役立つのかを、とくにわかりやすく説明するように心がけている」という。スタッフのていねいな説明でパソコンを購入したお客様は、何か困ったときには、そのパソコンを持ち込んでくる。「その際のスタッフの説明が、新たなパーツなどの購入につながっている」と、太田店長はリピーターの確保が確実に売り上げに結びついていることをアピールする。

最近ではゲーム向けの液晶ディスプレイの買い替え・買い増しが増えているそうだ。「液晶ディスプレイに関しては、他店の2分の1程度の価格に設定したモデルもあって、安さには絶対の自信がある」(太田店長)。ドスパラが全国に店舗展開しており、一括大量仕入れができることが、この価格を実現している。

さらに、帰宅途中の学生などが気軽に来店できるよう、スマートフォンアクセサリの品揃えに力を入れたことで、「10代後半から20代前半のお客様が増えた」という。売れ筋は、iPhone用のケーブルだそうだ。また、ユニークなパソコン周辺機器や輸入雑貨などを扱っている上海問屋の商品を拡充したところ、「大宮にお住まいの会社員や家族連れが来店されるようになった」と、成果に満足げだ。

10年以上の長きにわたって大宮に根を下ろし、常連客を中心に着実に成長しているドスパラ大宮店。他店については、「競合は意識しない。お客様には、むしろ秋葉原電気街などの都心に行かなくても用が足りることを訴えていく」という。

●店長が語る人気の理由――太田正史 店長

太田店長は、大宮店のほか、東京・秋葉原と名古屋・大須という電気街の店舗を経験。九州では、家電の街でもある博多駅前の店舗で店長を務めた。競合店がひしめくなかで得たノウハウから、「大宮ではほかの地域にお客様を逃がさないことが重要」。電車一本で、40分ほどで行くことができる秋葉原電気街をライバルに据えて、「秋葉原に行かなくてもいい売り場づくり」を目標に掲げる。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年3月17日付 vol.1522より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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