浦井健治

「劇団☆新感線」の人気舞台を映画館で楽しめるゲキ×シネに、同劇団史上最大の13万人を動員した舞台『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』が登場。公開を直前に控えた24日、都内劇場で行われた試写会にて浦井健治が舞台あいさつを行なった。

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古田新太演じる、天下無敵の大泥棒・石川五右衛門を主人公にした冒険活劇の第3弾。秀吉に石田三成などの大物を巻き込んで、空海の隠した秘宝を巡る大争奪戦が繰り広げられる。

浦井は「新感線」初出演となったシリーズ第2弾「薔薇とサムライ」に続いて、“天然バカ王子”として人気を集めたシャルル・ド・ボスコーニュを演じたが、この日も登場するや「最高だ!」とシャルルのセリフを女性ファンで埋まる客席の前で披露し喝采を浴びた。なぜこんなにもハイテンション? という戸惑いの混じった疑問に「うれしいからですよ! (前作でヒロインを演じた)アンヌ様(天海祐希)から“親善大使”として遣わされまして」と満面の笑みを浮かべる。

これまで、ストレートプレイにミュージカルと幅広く活躍し、決して“バカ王子”などというイメージではなかった浦井だが、このシャルル役を契機に周囲の見る目も大きく変わったとか。「古田さんはだいぶ、残酷になりましたね(笑)。舞台上でもシャルルがテンパると、役名ではなく『健治、落ち着けよ』とか言われます。この役を演じて、いろんな人が集まるようになり、そこでの出会いでフィールドも広がって面白いです」とこの役が自らのキャリアにとっても大きな転機となったと明かす。

「みんなが色付けして作ってくれた」というこのシャルルという役について「必死になるとテンパるんです。なんであんなウザく、残念な感じになったのか…。台本で読んだ時はカッコよかったのに」と語りつつも、どこかうれしそう。大ファンだったという「新感線」の舞台は「楽しい現場であり、素敵なんですが、エンタメのプロであり、とにかくお客様を楽しませようとする集団なのでメッチャしんどい!」とも。もしまた出演するなら? という問いには「シャルルで! いろんなシリアスな者もやってみたいですが、その中にウザさがあれば(笑)」と“うざキャラ”重視を強調。最後の最後までテンションを落とすことなく、風のように現れ、風のように舞台から去っていった。

『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』
3月29日(土)全国公開