『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』(C)2014 映画「ケルベロスの肖像」製作委員会

海堂尊の人気ミステリーを原作に、映画とドラマを縦断した「チーム・バチスタ」シリーズが、『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』(3月29日公開)でついに完結。“田口&白鳥”の名コンビとして6年間、事件を追い続けた伊藤淳史と仲村トオルは、口を揃えて「まさに人生そのものだった」と本シリーズを振り返る。万感の思いを胸にふたりが明かす“有終の美”とは?

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映画は日本初となる国際Ai(死亡時画像診断)センター発足の目玉として導入された最新MRI“リヴァイアサン”をめぐるサスペンスを軸に、舞台となる東城医大に届いた「三の月、東城医大とケルベロスの塔を破壊する」という脅迫状の謎と集団不審死事件が、原作にはないオリジナルストーリーを加えて描かれる。

ふたりが映画版の「チーム・バチスタ」に出演するのは初めてで「驚き以上に、大丈夫なのかなって」(伊藤)、「喜びよりも不安が大きかった。ドラマもあるし、とにかく完走しなければと」(仲村)。それでも長年、現場で築き上げた連帯感を原動力に、ドラマの最終シリーズ「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」と映画本編の撮影は順調に進んでいった。

「現場で使うカメラやモニターが映画仕様になっていて『映画っぽいな』って。すぐ周りから『映画だよ』ってツッコまれましたけど(笑)。映画というファイナルにふさわしい場所を与えてもらった分、逆に肩肘張らず、最後まで作品の魅力をしっかり伝えたかった」(伊藤)、「別の仕事をしている間も、自分の中に白鳥という人物が居続けていたことに気づきましたね。馴染み深い愚痴外来のセットが、少しずつ片付けられる様子を見ると、ファイナルを意識せざるを得ないし、大げさではなく感極まるものがありました」(仲村)。

ふたりにとって最大の収穫は、ずばり役柄を超えたコンビの信頼関係だという。「白鳥が田口を認めるように、僕もトオルさんに共演者として認めてもらえたなら、うれしいです。言葉を交わさず、分かり合えるシーンが増えているのもこのふたりだからこそ」(伊藤)、「もともと相性の良さは感じたし、撮影が進むたびに“あうんの呼吸”が生まれた。年月の長さもあるが、他の共演者とはなかなかこうはいかない」(仲村)。

『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』
3月29日(土)全国ロードショー

取材・文:内田涼