宝塚歌劇月組公演 撮影:三上富之

いよいよ4月1日(火)に創立100年を迎える宝塚歌劇。その誕生を祝う月組の記念碑的公演が、3月21日、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。日本物レビュー『宝塚をどり』、プチ・ミュージカル『明日への指針-センチュリー号の航海日誌-』、レビュー『TAKARAZUKA 花詩集100!!』の3本立てで贈る本公演。第100期初舞台生のお披露目もあり、スペシャルな内容で華々しく行われている。

宝塚歌劇月組公演『宝塚をどり』/『明日への指針-センチュリー号の航海日誌-』/『TAKARAZUKA花詩集100!!』のチケット情報

第1幕の『宝塚をどり』は、宝塚歌劇の伝統を踏まえながら構成された日本物レビュー。拍子木の音に合わせて照明がパッと明るくなる“チョンパ”で始まるプロローグ。ステージ上には、鮮やかな青い着物をまとった男役トップスター・龍真咲を中心とした、色とりどりの月組生がズラリ。100年の歴史を重ねた宝塚歌劇を祝う『百年音頭』を歌いながらの総踊りは壮観で、幕開きから圧倒される。続いて、例年の初舞台生による口上とは少し異なる趣の第100期生による口上を挟み、専科・松本悠里による天女の舞、龍を中心とする男役たちの三番叟、よさこいをアレンジした踊りが展開され、百獣の王・獅子、百花の王・牡丹をモチーフにした踊りへ。獅子に扮した龍はどっしりと構えて存在感たっぷりで、牡丹の娘役トップスター・愛希れいかもしなやか踊りで魅せる。フィナーレは、すみれの花をイメージしたボレロで総踊り。美しさや艶やかさに迫力が合わさった、宝塚歌劇ならではの日本物の魅力を改めて感じさせるステージだ。

第2幕の『明日への指針』は、上演時間35分のコンパクトな作品。100回目の航海に出発したアメリカの客船を舞台に展開される、通信士のジェイク(龍)と若き人妻レイラ(愛希)の恋愛物語で、短時間の中にさまざまなエピソードが凝縮。星条海斗演じる映画監督セルゲイ、沙央くらま演じる俳優サイモンらのコミカルな演技など、緩急つけた演出で楽しませてくれる。

第3幕のレビューは、“花詩集”というタイトルだけに、さまざまな花をイメージしたシーンが展開。公演前に龍が「ファッションショーのよう」と語っていたように、フランスの気鋭デザイナー、アントワーヌ・クルックによる華やかな衣装も見どころのひとつだ。オープニングは龍が銀橋で歌う主題歌からスタートし、大階段にスミレの花の衣装を着た39名の初舞台生が浮かび上がる。そして初々しいラインダンスを披露した後、バラ、ケシ、マーガレット、蘭などのシーンが次々と繰り広げられていく。中でも、100本のバラに扮したロケットガールズたちによるラインダンスは圧巻!最初から最後まで、瞬きを忘れるほどの、とびきり華やかでエネルギッシュなステージに仕上がっている。兵庫公演は4月28日(月)まで上演中。

取材・文:黒石悦子