オンキヨーは、1月4日に開催した取締役会で、米国の楽器メーカーGibson Guitar Corp.(ギブソン)と資本・業務提携契約を締結した。オンキヨーのオーディオ技術とギブソンの楽器技術を集結することで、両社の製品の付加価値向上や競争力強化を目的とする。将来は共同ブランドを立ち上げ、相乗効果をを目指す。また、コンシューマーエレクトロニクス製品の開発・販売を両社が共同で進めていく。

オンキヨーはギブソンの5万7595株(Class A)と5万7212株(Class B)の合計で全体の1%に当たる発行済み株式を取得。ギブソンは、オンキヨーの発行済み17.2%に当たる824万200株と、オンキヨーが新たに発行する50万株を第三者割当により取得する。払込み期日は1月20日。これによって、ギブソンは、オンキヨーの筆頭株主であるオーエス・ホールディングに次ぐ主要株主となる。また、ギブソンは、オンキヨー子会社のONKYO USAの株式51.0%を取得し、ONKYO USAを子会社化する。

オンキヨーは、ギブソンとの資本・業務提携によって、コンシューマーエレクトロニクス製品での新規分野参入と海外事業を拡大し、AV事業の売り上げ拡大を図る。ギブソンはマーケティング力を生かし、米国市場で自社とオンキヨーのシェアを拡大する。

両社は今後、ギブソンブランドとオンキヨーブランドを使用し、各地域でのマーケティング体制や戦略を強化する。アジア市場では、将来は合弁会社を設立し、オンキヨー主導でアジア市場の開拓を進める。

オンキヨーは、PCやPC周辺機器、デジタル家電の実売データ「BCNランキング」のサラウンドシステム部門で、「BCN AWARD 2005(04年1~12月)」以降、「BCN AWARD 2011(10年1~12月)」まで7年連続でNo.1を獲得。2011年上半期(1月~6月)も販売台数シェア18.8%でトップを獲得している。

一方、07年のソーテック買収によって強化してきたPC事業は、てこ入れを図る。オンキヨーのPCは、BCNランキングのPC(デスクトップ+ノート)メーカー別販売台数シェアで1~2%前後で推移してきた。タブレット端末では、10年秋に業界に先駆けてWindows 7搭載モデルを投入したことで話題を呼んだが、11年12月のタブレットのみのメーカー別販売台数シェアで0.6%にとどまるなど、PCの店頭モデルは苦戦が続いていた。今後は、PCの店頭モデルは在庫限りで販売を終了。個人向け直販サイトと法人販売にシフトする。