大消費地の都心オフィスを起点に、”CAN to CAN 水平リサイクル”を実現

住友不動産株式会社(以下「住友不動産」)、株式会社UACJ(以下「UACJ」)、東洋製罐グループホールディングス株式会社(以下「東洋製罐グループ」)は、使用済みのアルミ缶を原料に再生し、再びアルミ缶製造に活用する「水平リサイクル」のサプライチェーンを共同で構築し、2023年に実施したテスト運用を経て、2024年4月より、住友不動産の保有する都内オフィスビルを起点として運用を開始しますのでお知らせします。

今回構築したサプライチェーンでは、住友不動産が保有するオフィスビルから排出されるアルミ缶が、再生工程を経て、UACJの工場に再生原料として届き、アルミ板製品に加工されます。最終的にアルミ板製品は、東洋製罐グループのもとでアルミ缶や飲料用アルミカップ「Lumisus(R)(ルミサス)」へと活用されていきます。
また、本取り組みをオフィス利用者に周知し、ボトムアップでリサイクル意識を向上することを目指して、住友不動産が運営するオフィスの桜まつりなどを皮切りに、「ルミサス」を屋外飲料用カップとして導入・活用し、アルミ缶同様のスキームで水平リサイクルすることも予定しております。

アルミ新地金は、全量を輸入しており国際情勢の影響を受けやすい傾向にあります。水平リサイクルを実現することで、アルミ新地金からリサイクル地金への代替を推進し、貴重な資源の国内循環や温室効果ガス(以下「GHG」)排出量の削減に貢献いたします。

◆水平リサイクルスキームの概念図



◆今回のスキームにおける3社の役割
住友不動産株式会社


株式会社UACJ


東洋製罐グループホールディングス株式会社


(参考)アルミ缶水平リサイクルの意義
◆資源としての使用済みアルミ缶
アルミ缶は、アルミニウムが他金属と比較し融点が低いため、溶解によるリサイクルが容易であることに加え、リサイクルに要するエネルギーも新規製造時の3%とごく少量である特徴を有しています。そのため、「リサイクルの優等生」と呼ばれており、アルミ地金の調達を全量輸入に頼る日本においては、使用済みアルミ缶は、貴重な資源であるとされています。
今回構築したCAN to CAN水平リサイクルのスキームの推進により、使用済みアルミ缶のうち、海外に流出してしまう可能性や廃棄、他製品に再利用される可能性のあったものを、国内で永久的に水平循環することが可能となります。今後も「資源の永久的な国内循環」を実現に向け、さらなるリサイクル率の向上、CAN to CAN率の向上に寄与してまいります。

単位:%        アルミ缶リサイクル率の推移([出典]アルミ缶リサイクル協会WEBサイト)

アルミ缶再生利用フロー(日本アルミニウム協会WEBサイトにおける2022年度のデータをもとにUACJにて作成)
◆エネルギー使用量・GHG排出量の削減
リサイクル地金の活用は、エネルギー使用量の削減にも大きく寄与します。アルミ缶をアルミの原料であるボーキサイトから精錬して製造する場合には、多量のエネルギーを必要とし、2022年度に国内で再生利用されたアルミ缶 248,325トンを新地金から製造した場合、397億MJのエネルギーが追加で必要となります。これは、電力に換算すると110億kwhとなり、全国世帯数(5,976万世帯)の概ね23日分の使用電力量に相当します (出典:アルミ缶リサイクル協会)。リサイクルした際のCO2発生量もアルミ新地金使用時の約3%とごく少量であり、排出量を劇的に低減させることができます。地球温暖化の抑止に向け、今後も、水平リサイクルを推進し、リサイクル地金の活用をより一層増加させることが必要です。
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