柳楽優弥ら新キャストによる『金閣寺』稽古場に潜入!

2014.3.28 16:20配信
『金閣寺』稽古場より。柳楽優弥 『金閣寺』稽古場より。柳楽優弥

三島由紀夫の小説を宮本亜門演出により舞台化した『金閣寺』。2011年にKAAT神奈川芸術劇場の記念すべきこけら落とし公演として上演され、同年のNY公演でも絶大な支持を受けた作品だ。今回は生来の吃音から疎外感を抱いて育つ主人公・溝口役に柳楽優弥、彼をめぐるふたりの友人を水橋研二と水田航生、溝口の初恋の女性と女師匠の二役に市川由衣と、主要キャストを一新。初日まで2週間余りとなった3月下旬、都内某所の稽古場を訪れた。

金閣寺チケット情報

大きな三つのテーブルをつなげて斜めに区切った空間は、溝口たちが通う大学の校庭。昼休みで学生がひしめく中を柏木(水橋)が不自由な足を引きずって現れて弁当を喰らうところへ、溝口が初めて声をかけるシーンだ。坊主頭の柳楽は背筋がピンと伸び、寺男らしい無駄のない立ち居振る舞い。役づくりのために寺で修行した経験が活きているようだ。柏木を見つめる瞳の力強さに、〝気になって仕方がない〟という心情を滲ませる。一方水橋は強い口調で柏木の不敵さを表現するが、宮本が求めるイメージと合致しない。

「溝口に声をかけられてどう思ってる?」「どんな気持ちで校庭に出てくる?」と柏木としての感情を問いかけ、ときには自ら動いてみせて、ヒントを次々と示す宮本。それを受けて水橋が演技を変化させていくが、なかなか着地点が見つからない。そこで、宮本と水橋が改めて柏木という役のイメージを確認するためのディスカッションの時間が設けられた。

稽古場では早速柳楽と水田が、寺でのシーンを自主稽古。屈託のない笑顔を見せる鶴川(水田)の前だと、溝口の吃りも目立たないように感じられる。その後振付の小野寺修二の提案で、溝口が女師匠を追いかけるシーンの振付を確認することに。舞台狭しと歩き回る和装姿の市川と柳楽の間を、大駱駝館のメンバーたちが操る大きなテーブルや椅子が阻む。ときにはメンバーが見えない力となり、柳楽の背中を押すことも。最後に大テーブルが逆さまにバタンと置かれると、そこが女師匠宅の玄関になる。映像では可憐な女性役が印象的な市川が、成熟した大人の雰囲気を醸し出しており、ギャップにハッとした。

宮本のタクトのもと、キャストそれぞれが真摯に取り組む新生『金閣寺』。作品の新たな魅力が立ち上がりつつある稽古に、本番への期待が高まった。

公演は4月5日(土)から19日(土)まで東京・赤坂ACTシアターにて。チケットは発売中。

取材・文:山上裕子

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