~税務のエキスパートが中小企業や会社員の立場から税制改正を独自に解説~


 財務・会計システムおよび経営情報サービスを開発・販売する株式会社ミロク情報サービス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:是枝周樹、以下「MJS」)は、2月9日、日本税理士会連合会常務理事調査研究部長等を歴任し、「MJS税経システム研究所」税務システム研究会の顧問を務める植田 卓氏を招き、法人や個人へのアドバイスを行っている税理士の立場から、令和6年度税制改正大綱の各ポイントと今後の流れについて、講演を行いました。
 MJSでは、全国の会計事務所様を対象に、対面やオンラインにて同様な令和6年度税制改正の概要解説セミナーを4月にも開催予定です。


<講演概要より>
・構造的な賃上げの実現について
 与党大綱を見ると、令和6年度税制改正の基本的な方針として、「30年ぶりの高水準の賃上げ、過去最大の民間投資など、日本経済は明らかに動き始め、デフレ脱却・構造転換に向けた千載一遇のチャンスを逃さぬよう、この動きを止めることなく、より多くの方が享受できるようさらに拡げていく必要がある」としています。そして、まずは物価上昇を上回る賃金上昇の実現を最優先の課題としてあげています。
 しかし実際の経済は、賃金上昇→消費拡大→投資拡大の好循環の実現にはまだ至っておりません。その為、デフレに後戻りさせないための措置の一環として、令和6年度の税制改正では、個人を対象に所得税・個人住民税の定額減税を実施し、企業に対しては賃金上昇額の一定割合について法人税額からの控除を認める賃上げ促進税制をさらに強化することによって、国民所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくり、デフレマインドの払拭と好循環の実現につなげていこうとしています。
・国内投資促進の更なる実現について
 令和6年度税制改正による企業向けの新たな投資促進措置として、戦略分野国内生産促進税制とイノベーションボックス税制があげられます。
 戦略分野国内生産促進税制は、例えばわが国で製造している半導体の性能が中国、台湾やアメリカから大きく引き離されるなど、特定の戦略分野について積極的な長期投資を支援するため、半導体などの戦略分野に係る産業競争力基盤強化商品を指定し、これらの製造量に一定の単価を乗じた金額を法人税額から控除して、その軽減された法人税額を再投資に向けるための制度が創設されます。
 イノベーションボックス税制は、企業が自ら国内で研究開発を行うことによって得た特許権やAI分野のソフトウェアに係る著作権などの無形資産について、これらの譲渡や使用許諾等から生じる所得の一定額について、所得からの控除を認め、結果として法人税率が軽減される制度が創設され、国際的にも遜色のない制度とされています。
・子育て支援の実現について
 子育て支援に対する税制の骨格は、「住宅支援税制の拡充」、「生命保険料控除の拡充」、「扶養控除の見直し」、「ひとり親控除の見直し」の4点からなりますが、これらは令和7年度の税制改正大綱において本格的に検討され、実施されます。ただし、子育て特例対象個人に対する住宅ローン控除の拡充等については、急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、令和6年限りの措置として先行的に実施されます。

■ セミナーの主なポイント
1. 定額減税の実施をめぐって新たな問題は生じないのか、給付による実施との兼ね合いは
 ・給与所得者に対しては雇用者が源泉徴収を通じて定額減税を実施するが、その手順の複雑難解さに各企業は対応できるのか。
 ・控除額以上の納税額がある者からは税額控除、納税額のない者へは給付、納税額が控除額に満たない者へは税額控除と給付の両方、の混在が実務上の混乱を招かないか
2. 賃上げ促進税制の拡充とその効果は
 ・給与の増加額に対する大企業向けの控除率は最大35%になり、従業員が2,000人以下の企業を新たに中堅企業として控除を受けやすくし、中小企業向けについては控除率が最大45%とされ赤字の場合は5年間の繰越しが可能になるが、その効果は
3. 国内投資促進税制の効果は
 ・新たに設けられる戦略分野国内生産促進税制とイノベーションボックス税制については画期的といえる制度であり、その効果を見守る必要がある。

講師:植田 卓
   (MJS税経システム研究所 税務システム研究会 顧問/税理士/立命館大学客員教授/
    植田会計事務所 所長)

略歴:
大阪府出身
昭和57年に独立し、大阪市内で植田会計事務所を開業。
 昭和56年 第31回税理士試験合格、平成11~13年 日本税理士会連合会常務理事制度部長、平成13~15年 日本税理士会連合会常務理事調査研究部長、平成9~11年 近畿税理士会常務理事研修部長、平成11~15年 近畿税理士会常務理事調査研究部長、第55~57回(平成17~19年度)税理士試験・試験委員などを歴任。
 平成19年3月立命館大学大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得。
 現在、日本税法学会、税務会計研究学会、租税訴訟学会の各学会に加入。平成28年より立命館大学法学部客員教授。

■ セミナーのご案内
 MJSでは毎月、財務や経営の専門家による、経理や財務の実務研修から、税理士会認定研修、システム研修まで多彩なセミナー研修会を実施しています。
 インボイス制度や電子帳簿保存法への対応、デジタル化による業務効率化など、各種セミナーも予定しておりますので、ぜひご参加ください。
 セミナー詳細:https://www.mjs.co.jp/seminar/

セミナー例)
・令和6年度税制改正の概要解説
2024年4月17日(水) 13:30~16:30 https://www.mjs.co.jp/seminar/4804012/
2024年4月22日(月) 13:30~16:30 https://www.mjs.co.jp/seminar/4804016/

・MJS税経システム研究所 オンラインセミナー
15分お試し視聴付き/90分でざっくりわかる 2024年診療報酬・介護報酬改定のポイント
2024年3月5日(火)~2024年4月30日(火) https://www.mjs.co.jp/seminar/4715052/

■ 株式会社ミロク情報サービス(MJS)についてhttps://www.mjs.co.jp/
 全国の会計事務所と中堅・中小企業に対し、経営システムおよび経営ノウハウならびに経営情報サービスを提供しています。現在、約8,400の会計事務所ユーザーを有し、財務会計・税務を中心とした各種システムおよび経営・会計・税務等に関する多彩な情報サービスを提供しています。また、中堅・中小企業に対して、財務を中心としたERPシステムおよび各種ソリューションサービスを提供し、企業の経営改革、業務改善を支援しており、現在、約10万社の中堅・中小企業ユーザーを有しています。


【本リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社ミロク情報サービス
社長室 経営企画・広報IRグループ 宮城・安藤
Tel:03-5361-6309
Fax:03-5360-3430
E-mail:press@mjs.co.jp
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