BUGY CRAXONE ライブの模様 BUGY CRAXONE ライブの模様

4月2日に東京・SHELTERでBUGY CRAXONEのワンマンライブが開催された。

「BUGY CRAXONEといっしょ”はじめてがいっぱい”」と題されたこの公演は、いくつかの”はじめて”が用意されていた。1997年に札幌で結成、2007年から怒髪天の増子直純が主宰するレーベルに所属、定評のあるライブを中心に活動してきた彼らだが、今回、サポートを務めていたドラムのヤマダ ヨウイチが正式に加入。MCですずきゆきこ(vo)は、「友達だったヤマダさんがメンバーになった~」と紹介、ヤマダが「今も友達だよね?」と突っ込んで笑いを誘う。

そしてこの日のセットリストは、6月18日(水)に4人で初めてのリリースとなるニューアルバム『ナポリタン・レモネード・ウィーアーハッピー』収録の全ナンバーが披露された。ファンにはまだ馴染みのない曲が中心だが、次々繰り出される曲が素晴らしくて刺激的で、場内のボルテージはぐいぐいと上がっていった。

それにしても心奪われるのはすずきゆきこの圧倒的な存在感だ。不良性とイノセンス、孤独感と切なさを漂わせながら、毅然とした強い意志を感じさせる視線は人を寄せ付けない緊張感を放つ。一方でまるで少女のようにキュートで恥ずかしがりなMCも実に魅力的。後半のスケール感あふれる楽曲を絶叫する姿に、ロックの神様が乗り移ったようなカリスマ性を観た。

スリリングなギター・カッティングを刻む笈川司(g)とうねりのあるベースラインでサウンドを支える旭司(b)が、軽快な曲、重厚なビートとバラエティに富んだ音世界を描いていく。新作から全10曲と代表曲を織り交ぜた19曲を一気に披露。ファンの反応に満足そうな笑顔を浮かべるメンバーたち。興奮が収まらないアンコールに促されてさらに2曲。サポート・ドラマーを招いてバンドを続けてきたからこそ、4人組として新たなスタート・ラインに立てた喜びを実直な表現で語ったすずきゆきこ。BUGYのライブを観たあとはいつも、不器用でも自分に正直に生きることがなによりカッコいいと思えてくる。(取材・文/浅野保志)

■アルバム『ナポリタン・レモネード・ウィー アー ハッピー』
6月18日(水)発売
BNBR-0008 / 2,700円(税込)

■BUGY CRAXONE "ウィー アー ハッピー ツアー"
10月30日(木)千葉LOOK(千葉県)
11月5日(水)池下 CLUB UPSET(愛知県)
11月6日(木) DIME(香川県)
11月8日(土)熊本Django(熊本県)
11月9日(日)福岡Queblick(福岡県)
11月11日(火)Fandango(大阪府)
11月16日(日)新潟CLUB RIVERST(新潟県)
11月18日(火)CLUB ♯9(福島県)
11月19日(水)仙台HooK(宮城県)
11月21日(金)COLONY(北海道)
11月28日(金) SHELTER(東京都)※ワンマン