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4月5日(土)東京 日本青年館。結成25周年記念企画の第二弾は、1989年結成時のリーダーだった上田ケンジ(b)が3年で脱退し、山中さわお(vo、g)、真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(ds)がそれでもバンドを続ける決意をして、鹿島達也(b)をサポートに迎えた”第二期”の曲で構成された東阪名のホール・ツアーだ。なにしろこの時期の楽曲は、鹿島がサウンド面でリードしたジャズ・テイストのアレンジが特徴で、山中いわく「頑張りすぎてた」という細部にわたって緻密なサウンドは、現在まで続く“第三期”のオルタナで豪快なテイストとは一線を画すため、その後のライブではほとんど演奏されていない。鹿島のあとを受けて”第三期”以降を支え続ける鈴木淳(b)と、カミナリグモのghoma(key)を迎えた5人編成でのステージだ。立見会場を本拠地にTシャツにジーンズといういでたちで臨む彼らにとって、ホール会場でスーツを身にまとった今回は実に新鮮。冒頭のMCで山中は「この拭い去れない違和感をいかに早く取っ払って楽しむか、それが一番のテーマです」と語って笑いを誘う。“第二期”当時、リーダーを失い、周囲のセールス的な期待と格闘しながら、自分たちらしさを模索してた彼らの曲は名曲揃いでありながら、その後のバンドの変遷もあって、ファンには二度と演奏されないのでは?と思われていた。本人たちも「考えられないくらいリハーサルを積んでようやく体に染み込んだ」と語るほど。「もう少し売れてもよかったかなというラブソングを」と前置きして披露された「ガールフレンド」が秀逸だった。拳を突き上げ、体を揺らして聴くのが普通なBUSTERS(the pillowsファンの名称)も、食い入るように聴き入っていた。改めてthe pillowsの奥行きの深さに恐れ入った2時間だった。

the pillows ツアー情報

ステージの去り際、新曲のレコーディングを進めていること、秋にはツアーで届けることを伝えてくれた。6月から7月にかけてトリビュート・アルバムに参加したバンドを迎えてのツアー「ROCK AND SYMPATHY」も4月12日(土)から前売り開始となるので要チェックだ。

取材・文/浅野保志

【セットリスト】
the pillows 25th Anniversary NEVER ENDING SRORY“Do You Remember The 2nd Movement?”
1.LIBERTY/2.恋のスパイに気をつけろ/3.Sha-la-la-lla/4.モノクロームラバーズ/5.エンゼルフィッシュ/6.Sunday/7.ガールフレンド/8.僕でいられるように/9.公園~黄昏のワルツ~/10.TONIGHT/11.Future/12.アムネジアの日記/13.開かない扉の前で/14.THE KILLING FIELD/15.Tiny Boat/16.DAYDREAM WONDER/17.Bye Bye Sweet Pain/18.Movement/En.1 1.屋上に昇って/2.NAKED SHUFFLE/En.2 1.TOY DOLL/2.Primer Beat