<地域No.1店舗の売れる秘訣・パソコン工房本店>グループの連携を強化 iiyamaブランドの浸透を目指す

2014.4.15 10:49配信

2014年3月21日、大阪・日本橋のパソコン工房本店が、同じユニットコムグループで組み立てパソコン専門店のBUY MORE大阪日本橋店の隣に移転し、リニューアルオープンした。グループの液晶ディスプレイブランド「iiyama(イイヤマ)」の製品を前面に押し出す店づくりで、グループ内の連携を強化する新しい取り組みを進めている。(取材・文/佐相彰彦)

パソコン工房本店

店舗データ

住所 大阪市浪速区日本橋4-15-17 1F

オープン日 2014年3月21日(移転日)

売り場面積 約300m2

従業員数 約10人

●「オタロード」内で移転 新たな客層を吸引

日本三大電気街の一つとして、パソコン普及期の1995年から2000年にかけて活況を呈していた大阪・日本橋のでんでんタウン。しかし市場が成熟し、さらに2001年のヨドバシカメラマルチメディア梅田や2006年のヤマダ電機LABI1なんばなどの大型店舗がオープンした影響から、いまではパソコン購入を目的に訪れる人は大きく減っている。一方で、現在は日本橋筋商店街から北西にかけてアニメやコミック、フィギュアなどのサブカルチャー系の店舗が広がり、学生や外国人観光客など、多くの来訪者で賑わっている。とくに日本橋筋西通商店街は「オタロード」と呼ばれ、東京・秋葉原と並ぶサブカルチャーの聖地になっている。

そのオタロードに2003年3月にオープンしたのが、パソコン工房本店だ。多層階の店舗で、フロアごとにパソコンや周辺機器、パーツなどを並べ、パソコンに詳しい層を中心にがっちりと固定客をつかんできた。

そのパソコン工房本店が、今年3月21日、グループ店舗のBUY MORE大阪日本橋店と隣接した場所に移転し、リニューアルオープンした。前店舗から10mほどの場所で、いわば隣への引っ越しというかたちだが、店構えはがらりと変わっている。前の店舗は、入り口が狭くて外からは店内の様子がわかりにくく、勝手を知らない人は入りづらかったが、新店舗は入り口が広く、ひと目で見渡すことができる。中原聡店長は、「コミックやフィギュアが目的で街に来た人にも気軽に入っていただける店舗になった」と、集客に自信をみせる。前店舗の場所にはコミックを中心に揃えた書店がオープンする予定で、新たな客層の吸引にさらに期待がかかる。

●独自の品揃えと提案で差異化 アフターサポートを重視

パソコン工房本店で扱う商品は、イイヤマの液晶ディスプレイとパソコンが中心。イイヤマブランドは、ユニットコムグループが全国の店舗で力を入れている商品群だが、とくにパソコン工房本店にとっては、ブランドの浸透だけを目的としているわけではない。競合店舗との戦いに勝つための武器でもある。「差異化には、他店での品揃えが少ないブランドを前面に押し出すことが重要」(中原店長)なのだ。

大阪では、「ヨドバシカメラのマルチメディア梅田や、ヤマダ電機のLABI1なんばに行けば何でも揃う」という考え方が市民の間に根づいている。そのなかで、専門店のパソコン工房は、「お客様の要望に合ったカスタマイズパソコンで販売を増やしてきた。イイヤマ製品も、他店では購入できないモデルを提案して販売につなげる」(中原店長)という。

液晶ディスプレイは、「他社の製品よりもゲームの映像が鮮明なことをアピールしていく」(中原店長)。そのために用意したのが、入り口近くに設置したレーシングゲームの体験コーナーだ。実際にレーシングカーに乗っている気分で美しい映像を楽しむことができる。通りがかりの学生が立ち寄って楽しむなど、すでに名物コーナーの一つになっている。

リニューアルオープンの3月21日から3日間にわたって開催したセールでは、2万円以下の液晶ディスプレイ、7万円以下のデスクトップパソコンなどを目玉商品として揃え、「予想以上の売れ行きだった」と中原店長は満足げだ。アニメ好きが集まる街を意識し、「彼らは『見る』だけでなく『描く』ことにも興味があるはずと考えて、ペンタブレットを大量に仕入れた。学生のお客様に、ペンタブレットを通じてパソコンの魅力を伝えたいという考えもあった」という。これが見事に当たり、ペンタブレットはパソコンと液晶ディスプレイに次ぐセールスを記録した。

移転に際して、とくに拡充を図ったのがサポート受付カウンターだ。データ移行サービスや、店頭での使い方サポートなどを含む月額制のサポートサービス「プラチナITパスポート」などの提供で、「連日、多くのお客様がパソコンに関する相談でカウンターを訪れる」(中原店長)という。

パソコンパーツについては、隣接するBUY MORE大阪日本橋店に任せて、「イイヤマブランドの知名度向上に専念する」と、中原店長は割り切る。それでも、今後はカスタマイズパソコンを購入したお客様に改造を提案して、BUY MORE大阪日本橋店に誘導するなど、相乗効果の発揮を目指し、ユニットコムグループの連携という他店とは異なる戦略で競争に打ち勝っていく。

●店長が語る人気の理由――中原 聡 店長

もともとはパーツ専門店のFaithで業務に従事し、その後、パソコン工房のスタッフとしてカスタマイズパソコンのノウハウを習得した。日本橋、岸和田、京都、神戸、姫路などの店舗を経験し、再び日本橋に戻ってきたのが5年ほど前。電気街の全盛期と衰退期の両方を知る。「パソコンの自作に取り組む人が減っているのは事実」と認めるが、「サブカルチャーが趣味の人たちに、パソコンの魅力を訴えていけばいい」と言い切る。デジタル機器とサブカルチャーが入り混じる街で、お客様が来店しやすい環境を整えた。あとは、いかにリピーターを確保するかがポイントになる。中原店長の手腕に期待が高まる。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年4月7日付 vol.1525より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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