大皿で配膳される宴会料理(画像はイメージ)

会社での飲み会や親睦会、歓迎会など、職場の人と一緒に食事をする機会は社会人であれば少なくない。パワハラ・モラハラなどが問題になる中で、ネット上では「取り分け文化」についての議論が勃発している。

楽しく過ごすために「取り分け」は必要なのか?

「大皿で提供される料理を、下の人が目上の人に取り分ける」というのはよくある光景。しかし時代にそぐわないと考える人も多いようで、「取り分けは時代錯誤」「子どもじゃないんだから、自分でやろう」などの反対意見がやや多く上がっている印象がある。

具体的に行動に移している人もいるようで、「立場が上だから、『最初に好きなものを好きな量、それぞれで取りましょう』と伝えてる」「後輩には『みんな各自食べたいものを食べよう』と言う」という意見も。

一方で「テーブルにお皿が多くなって邪魔だと思ったら取り分けるかな」「皆が箸をつける前に、綺麗なお箸で取り分けるほうが衛生的だと思う」といった観点から「取り分け肯定派」も存在するよう。「自分より下の新人が『取り分けしなきゃ』って焦らないように、自分が引き受けてやってるよ」といった声も見られた。

また、この取り分け文化は合コンやデートでもよく問題になる。これまでは「女性が取り分ける」のが良いとされてきたが、「取り分けてもらわないとダメな男性なんてこっちからお断り」と、価値観もアップデートされてきているよう。

逆に「気が利く女と思われたいからあえて取り分ける」など、戦略的に取り分けを活用している人も。「女性に取り分けをさせない自分」をアピールするために男性が率先して取り分けるケースもあったりと、恋愛の面ではかなり複雑な駆け引きが繰り広げられている。

賛否のある「取り分け文化」。賛成派も反対派も、もしも取り分けてもらったときは感謝をして、食事の場を楽しめることを願いたい。(フリーライター・井原亘)

■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている