村井良大、佐々木喜英  撮影:井出絵里奈 村井良大、佐々木喜英  撮影:井出絵里奈

激動のストーリーを圧巻のアクションで魅せる舞台『マホロバ』がこの7月、東京・シアタークリエに登場する。約10年前にスーパーアクションエンターテインメントユニット“30-DELUX”が上演し、好評を博した伝説の大活劇だ。太古の時代に生きるふたりの青年ザッパとミズハの、運命に揺るがされた友情物語がドラマチックに展開する。着実に舞台経験を積んで若手実力派として急成長している注目のふたり、村井良大と佐々木喜英が、ザッパとミズハに扮して真っ向から激突。「身体を動かすことが好きなので、立ち回りが楽しみ!」と口を揃えるふたりと、30-DELUXの清水順二に、本作にかける思いを聞いた。

舞台『マホロバ』チケット情報

「作品の持つ、熱く骨太な世界観に惹かれます。ザッパの生い立ちなどをふまえ、彼がどんな思いでその行動に出るのかを深く考えて、真剣に、かつ新鮮に演じたい」と、穏やかな口調に秘めた闘志をのぞかせる村井。対する佐々木は「野性的なザッパとは対照的に、ミズハは王族の皇子。ミズハは幼い頃と、その後の成長した姿に違いがあって、途中で豹変するんですね。その演じ分けをしっかり見せたい」と真っ直ぐに意気を語る。村井と佐々木の出演舞台を見続けてきて「もはやファンです(笑)」と自認する清水は、主軸のキャラクターを担うふたりに全幅の信頼を寄せている。「村井さんは冷静沈着なタイプで、演出によって顔がガラッと変わる、まさに“ザ・俳優”ですね。ザッパは荒々しい反面、すごく冷静に空気を読んで判断するところがあるので似た部分があるんじゃないかな。佐々木さんはパフォーマンス力があって“僕を見て!”という気持ちがバーンと前に出て来るタイプ。ミズハは幼少の頃から無邪気で喜怒哀楽にあふれた人間なので、すごく合うと思う。このふたりによって良い化学反応が起こるんじゃないかと楽しみにしています」

清水の鋭い分析に、照れ笑いを浮かべる村井と、目を輝かせて強くうなずく佐々木。両者の言葉の端々からも、雰囲気の異なるそれぞれの魅力が感じられて面白い。「舞台の仕事から得る一番のものは、稽古場での人との出会いですね。清水さんのように熱量の高い、震えさせてくれる人と出会って刺激を受けることで、自分も変われる。稽古場の仲間から得たものを舞台で放出したい」(村井)。「僕はカーテンコールの瞬間がものすごく好きなんです。拍手をしてくださるお客様の笑顔が見える、あの景色を求めて舞台に立っているところもある。辛いことがあっても、カーテンコールを思い浮かべれば頑張れます」(佐々木)。

ほかの共演陣には佐藤アツヒロ、大和田獏、彩輝なお、彩乃かなみ、岸祐二、サントス・アンナら個性豊かな顔が揃った。最後に清水が「次世代に力を与える、可能性を感じさせる舞台に絶対になると思う」と力強く宣言。そのパワーを実証すべく、村井&佐々木のさらなる跳躍に期待したい。

公演は7月17日(木)から27日(日)まで東京・シアタークリエにて。その後、愛知、大阪でも上演。チケットぴあでは東京公演のインターネット先着座席選択プリセールを実施中。

取材・文:上野紀子