新作『戦火の馬』ロイヤルプレミアに登場したスピルバーグ、馬のジョーイら

3月に公開されるスティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『戦火の馬』のロイヤルプレミアが現地時間8日にロンドンで行われ、スピルバーグ監督、主演のジェレミー・アーヴィンらだけでなく、英国王室ウィリアム王子、キャサリン妃も参加した。

ロイヤルプレミアに出席したウィリアム王子、キャサリン妃の写真

『戦火の馬』は、1982年に英国で発表された児童文学を原作に、第一次大戦下の過酷な状況の中で生き抜く“奇跡の馬”ジョーイと、彼を愛する少年アルバートら人間との絆を壮大なスケールで描いた作品。新鋭ジェレミー・アーヴィンが主演を務めるほか、エミリー・ワトソンらが出演する。

ウィリアム王子とハリー王子が運営する慈善団体のチャリティイベントとして企画された本プレミア。会場になったレスタースクエアには多くのファンや約300人の報道陣がつめかけ、スピルバーグ監督、アーヴィンらは本作の“真の主役”である馬のジョーイと登場。さらに小雨の降る中、キャサリン妃に傘で守りながらウィリアム王子が姿を見せると会場から大きな歓声があがった。

スピルバーグ監督は「エリザベス女王とチャールズ皇太子、故・ダイアナ妃夫妻を迎えたロイヤル・プレミアに出席した経験はあるけれど、ケンブリッジ公爵夫妻にお会いするのは初めてなんだ。英国王室の新世代を象徴するふたりが今日こうしてプレミアに来てくれて、すごくうれしく思っている」と語り、「この映画は『プライベート・ライアン』やTVシリーズ『バンド・オブ・ブラザーズ』のような、いわゆる“戦争モノ”ではなく、“絆”というテーマを中心に、動物が人々を結びつけ、人間の善の部分を引き出す存在になり得る、ということを描いている。戦争映画ではあまり描かれることのない、そういった叙情的テーマを描いたつもりだ」と解説。アーヴィンは「僕の姿を王室の方たちにスクリーンで観てもらえるだなんて、信じられない気分だ。本当にエキサイティングだね。イギリスの普遍的な文化の一部として多くの国民に愛されるこの物語の映画化に参加できたのは、とても光栄なことだと思っています」とコメントした。

本作はスピルバーグ監督が初めて第一次世界大戦を扱った作品でありながら、“奇跡の馬”を軸に展開される重厚な人間ドラマに仕上がっており、英国だけでなく多くの国で「本年度のオスカー有力候補」という声があがっている。

『戦火の馬』
3月2日(金)全国ロードショー