横山幸雄 横山幸雄

2010年以来、毎年ゴールデンウィークにショパン作品の演奏会を開催しているピアニストの横山幸雄。5年目となる今年は、5月3日(土・祝)・4日(日・祝)の2日間にわたり、6部構成・21時間で過去最大となるショパン作品全217曲の演奏に挑む。

「横山幸雄 入魂のショパン2014」の公演情報

1990年のショパン・コンクールで歴代日本人として最年少入賞を果たして以来、人気・実力ともにトップアーティストとして活躍する横山幸雄。彼のライフワークといえるショパンは子どもの頃から大好きな作曲家だというが、「一生をかけて弾いていくなら、一度は全貌を知っておきたい。生涯で書かれた全ての作品を自分の手で弾いてみたい」という思いに至ったという。コンクールから間もない1992年から99年にかけて、ショパン作品全曲演奏プロジェクトを東京・大阪・福岡で開催した。

「足かけ7年でショパン全曲を演奏しましたが、終わってから振り返ると、最初に演奏した作品のなかには忘れてしまっているものも多いことに気が付きました。それで、もう一度全体を見直したくなったのですが、また7年をかけたら同じこと。やるなら短期間、例えば1日か2日でショパンを全曲演奏することは出来ないだろうかと考えた訳です。ドキュメンタリー映画を観るようにショパンの生涯を感じてもらうイメージですね。このアイデアを身近な人たちに話してみたら、最初はみんな『頭がおかしくなったんじゃないか』という反応でしたけど(笑)」

この途方もないアイデアが実を結んだのが、ショパン生誕200年の2010年。ショパンのピアノ・ソロ作品166曲を約16時間で完全奏破し、「24時間でもっとも多い曲数を1人で弾いたアーティスト」のギネス記録を打ち立て、大きな驚きとともに賞賛の声が寄せられた。自身のデビュー20周年だった翌2011年には、約18時間をかけて212曲を暗譜で演奏し、自らのギネス記録を更新。以降も、毎年ゴールデンウィークにショパンの演奏会を開催し、ユニークなプログラミングと上質の演奏で、高い評価を得てきた。

「(コンサートは長丁場なので)皆さんそれぞれにスリッパやひざ掛けなど、まるでトラベルグッズのように、リラックスできるアイテムを持参して来てくれます。でも、アイマスクと耳栓は必要ないですよ(笑)。嬉しいことに、こんなに長い間演奏しているにも関わらず、もっと聴きたいという感想をたくさん頂きました。よくいえば格調高い、言い替えれば近づき堅さのある普段のクラシックコンサートと違い、音楽を通じて会場が一体になる感じが魅力だと思います」

過去4年は全て1日のみだったが、今回は2日間にわけての開催。「休日の朝の11時スタートなので、ゆっくりめに起きても間にあいますし、夜も22時前には終演しますから普段のコンサートとさほど変わりません。皆さんそれぞれのスタイルで楽しんで頂きたいです」と抱負を語った。

「横山幸雄 入魂のショパン2014」は、5月3日(土・祝)・4日(日・祝)に東京オペラシティ コンサートホールで開催。