前列左から、國分亜沙妃、吉井乃歌。後列左から、甲斐まり恵、生田智子、三田村邦彦、浅香唯、松田賢二。 前列左から、國分亜沙妃、吉井乃歌。後列左から、甲斐まり恵、生田智子、三田村邦彦、浅香唯、松田賢二。

今年で29年目を迎えるミュージカル『アニー』が、4月26日に開幕した。前日の25日には、公開リハーサルと囲み取材が行われ、アニーのキャストたちが意気込みを語った。

ミュージカル『アニー』チケット情報

アニーを始めとする子どもたちのキャストは、「スマイル組」「トゥモロー組」のWキャスト。先にリハーサルを行った「スマイル組」のアニー・國分亜沙妃さんは、「緊張して声が出なかったところがあったけど、夢の舞台に立てて嬉しいです」と謙遜したが、メリハリのある表現力でアニーの喜怒哀楽を演じ分け、観る者を作品の中へ引き込んだ。リハーサルを控える「トゥモロー組」のアニー・吉井乃歌さんは、「最後までみんなで楽しくやっていけたらなと思います!」と元気よく意気込みを語った。

アニーとの出会いで人の温もりを取り戻す億万長者ウォーバックス役の三田村邦彦は、本公演のために剃髪して臨んだ。「寝返りを打つたびに耳元でじょりじょりと音がして寝られない。公演が終わる頃には寝不足になってそう(笑)」と密かな苦労を明かしたが、アニーのふたりからは「かっこいい!」と好評だった。ミュージカル初出演の浅香唯は、「始まる前はすごく緊張していたけど、子どもたちの顔を見ていたら安心して少しずつほぐれていった。後半は楽しめたかな」と、意地悪なハニガン先生役に手応えを感じたようだ。彼女とともに悪巧みを企てる弟・ルースター役の松田賢二と、そのガールフレンド・リリー役の甲斐まり恵との息もぴったりで、コミカルでアクの強い悪役を好演していた。

「アニーも子どもたちも歌と踊りがうまい。毎日見てるけど飽きないですね」と三田村も認める通り、アニーと子どもたちが薄汚れた孤児院で生き生きと歌いと踊る姿や、タップキッズたちが煌びやかなステージでキレのあるタップと迫力のパフォーマンスで魅了するシーンは、会場に熱気を呼び込んだ。また、度々訪れる困難な状況にも、明日に向かって前に進もうと歌う代表曲「トゥモロー」は、観る者を励まし元気づける。大人のキャストだけで歌う「トゥモロー」も、厳かな響きを持って感動へと誘った。

最後に、「大恐慌の時代に生き抜いたアニーという役を前向きに一所懸命に演じたいと思いますので、ぜひ見に来てください」(國分さん)、「見に来てくださった方が、また観に行きたいねって思ってもらえるような、素敵なアニーになりたいです」(吉井さん)とPRした。

ミュージカル『アニー』は、5月11日(日)まで東京・青山劇場で上演される。チケット発売中。

取材・文:門 宏