左から、二山治雄、樫野隆幸 左から、二山治雄、樫野隆幸

関西出身の男性バレエダンサーたちが集結、2010年の第1回公演以来、毎年大阪で公演を重ねて人気のPDA(Professional Dancer's Association)が、この5月の公演『ZERO』でついに東京進出を果たす。公演の見どころについて、ダンサーでPDA会長の樫野隆幸に話を聞いた。

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PDAのメンバー24人は実力派揃い、各地の舞台で華々しく活躍する男性ダンサーが一堂に会すとあって、過去の公演は毎回大盛況。が、樫野は「今回の東京進出は、僕らの“ゼロからの発進”と捉えています」と気持ちを新たにのぞむ。「始まりは、男性ダンサーたちの交流会でした。それを重ねるなかで、男性だけのバレエの公演というのはなかなかない、僕たちはそこをやって、皆さんに観ていただこう、となっていったんです。男性のみとなると古典作品だけでは表現し難く、毎回新たな作品を上演します。いつも100%の力で取り組むので、回を重ねるごとに皆、成長しています」。今年も振付家は矢上恵子、篠原聖一、島崎徹と精鋭ぞろい、振付家とダンサーが刺激し合いながらのリハーサルが続く。コミカルな要素が入っているという篠原作品、祝祭的な雰囲気に溢れた島崎作品、そして「矢上さんの作品は……、それはサプライズ! 当日のお楽しみに」と期待感を煽る。いずれも、男性ならではのバレエの魅力がたっぷりと詰まった作品のようだ。

大阪出身で新国立劇場のダンサーとして活躍中の山本隆之、福岡雄大、福田圭吾のゲスト出演にも注目。「縦と横の繋がりを大事にしていきたい。この繋がりを広げながら、皆さんに楽しんでいただけるダンサー集団としてやっていきたいですね」。東京公演のみのゲスト、今年のローザンヌ国際バレエコンクールで優勝し、将来を嘱望される十代のダンサー、二山治雄の登場も見逃せない。同席した二山は、「テクニックだけでなく、舞台裏で皆さんがどんなトレーニングをしているのかも学びたい」。4月にはユース・アメリカ・グランプリでも1位を獲得し、今回は各コンクールで踊った古典とコンテンポラリーのソロを踊る。「自分も楽しみ、お客様にも楽しんでいただけるよう頑張りたい」と目を輝かせる。樫野も「僕は二山君の親といってもいい年齢だと思いますが(笑)、若いダンサーたちに学ぶことは本当に多い。若い人たちのためにも、クオリティを高めながら、ずっと続けていきたいですね」。

公演は5月10日(土)・11日(日)大阪・森ノ宮ピロティホール。5月28日(水)・29日(木)東京・Bunkamura シアターコクーンにて。チケット発売中。

取材・文:加藤智子