会見より。左から、森山開次、美波、山本耕史、白井晃 会見より。左から、森山開次、美波、山本耕史、白井晃

4月1日付で神奈川芸術劇場のアーティスティック・スーパーバイザー(芸術参与)に就任した白井晃。彼の構成・演出による就任第1作『Lost Memory Theatre』が8月21日(木)から同劇場で上演される。

『Lost Memory Theatre』チケット情報

4月に行われた会見で「横浜は東京からちょっと遠くて、さほど遠くない場所にある。その距離感をうまく生かせないか。東京でやっている演劇のムーブメントを少し俯瞰しながら、また違う演劇の方向性を志向していきた」と話した白井。その第1作は、世界的に活躍する音楽家・三宅純が2013年に発表したアルバム『Lost Memory Theatre』をモチーフに、その世界観(廃墟となった劇場に残る記憶)を演劇、音楽、ダンスで舞台化するもの。

三宅とは2007年の『三文オペラ』以来、多くの白井演出作品に音楽担当として参加してもらっている創作仲間。白井は昨年のアルバムについては創作段階から話を聞いていたと話す。「今まで、自分たちが当たり前のように思っていた、芝居のつくり方とは、異なるやり方はないだろうか。三宅純さんのひとつのアルバムから想起された、いろいろなシーンをコラージュのように積み重ねながら、“劇場”をモチーフにした作品をつくることができないだろうかと考えた。演劇なのか、コンサートなのか、あるいはダンスパフォーマンスと言っていいのかどうかも分からない、ボーダレスな作品群にできたらいい。就任第1作ということで、今まで自分がやれなかったこと、実現できなかったことを、この劇場で再現したい。俳優と生バンド、歌手、ダンサーにも加わってもらって、めくるめくカオスのような祝祭空間を作ることができたら」と意気込みを話している。

また、会見には出演者の3人、俳優の山本耕史、美波、ダンサーで今回振付も担当する森山開次も登場。「僕にとって白井さんは、お兄さんであり、先生であり、そして俳優として先輩・戦友でもある、いろいろな面を持っている信頼できる存在。何が起こるか分からないですけど、不安はまったくなく、期待しかない」(山本)、「白井さんは一度ご一緒したいと思っていた演出家でした。今回は楽しみでしかないです。今回は歌や踊りもあるのかな。稽古場には準備万端整えて臨みます」(美波)、「白井さんは演劇という狭いカテゴリーを感じさせない多才な方。だから白井さんの思いが自分の中でも理解できました。台本はまだないですが、タイトルから想像できることがたくさんある。毎朝三宅さんの音楽を聞いて、勝手にいろいろな想像を膨らませてます」(森山)、とそれぞれ舞台への思いを熱く話している。

公演は8月21日(木)から31日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて。チケットの一般発売は5月17日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選「プレリザーブ」も実施、5月4日(日・祝)午前11時から8日(木)午前11時まで受付。