ジャンプ黄金期で忘れてはいけないのが名作『キン肉マン』。1987年に週刊少年ジャンプでの連載を終了し、その後は青年誌で続編『キン肉マンII世』が描かれていたが、2011年から待望の初代『キン肉マン』が

連載復活

。四半世紀のブランクを感じさせない熱いストーリー展開に加え、単行本のナンバリングもそのまま37巻から再開(前作が36巻で終了したため)されるなどファンを歓喜させている。

さらに『銀牙 -流れ星 銀-』は続編『銀牙伝説WEED』として、『シティーハンター』はパラレル世界を描いた『エンジェル・ハート』として、『北斗の拳』は原作より2代前の伝承者を描いた『蒼天の拳』として、本編終了後に復活を遂げている。『キャプテン翼』『ジョジョの奇妙な冒険』もシリーズ名を変えながら今なお連載継続中である。
 

 
 

また、意外なところでは『ドラゴンボール』関連でも新たな動きがあった。鳥山明氏による久々の新作として2013年に週刊少年ジャンプで連載された『銀河パトロール ジャコ』。実はこれ、あの『ドラゴンボール』につながる“前日譚”であることが最終話で明かされた。昔からの読者にとっては何よりありがたい、鳥山先生からのプレゼントだ。

こうして見ていくと、全盛期のジャンプを支えた多くの有名漫画が何らかの形で――タイトルの一部や出版社を変えながら――復活していることがわかる。

今でこそ『ONE PIECE』『NARUTO』のように50巻超えの長寿タイトルが当たり前のジャンプだが、昔はせいぜい40巻未満で終わるのが常だった。尺の都合などで描ききれなかったエピソードを新作として蘇らせてくれるならファンとしても嬉しいかぎりだ。

 

世界観を広げるスピンオフ漫画

続編が作品の世界観を長く生きさせる“縦の補完”なら、スピンオフは作品の世界観を広げる“横の補完”。このスピンオフ分野ではジャンプ系列に限らず、さまざまな出版社の人気作が登場している。

『進撃の巨人』は今まさにスピンオフが最盛期。社会現象にまでなった原作人気に連動し、掲載誌の別冊少年マガジン(講談社)は「スピンオフ祭り」を展開中。シュールギャグ漫画『進撃!巨人中学校』をはじめ、他誌で連載中の『進撃の巨人 Before the fall』『進撃の巨人 悔いなき選択』『寸劇の巨人』といった各種スピンオフまでが出張掲載されている。

この勢いにまだ衰えは見られず、むしろ来年の実写映画公開に向けて盛り上がっていくことだろう。