『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(C)2014 - STONE ANGELS

今年のカンヌ映画祭が、フランス時間14日(水)に開幕する。今年の開幕作品は、ニコール・キッドマン主演の『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(日本は10月公開予定)。カンヌ映画祭でモナコの王子と知り合い、恋に落ちたグレース・ケリーの王妃としての人生を描くもので、カンヌの開幕にふさわしい作品といえる。監督は『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』のオリヴィエ・ダアン。

コンペ部門には、カンヌのご贔屓監督が名を連ねる。そのひとりは、河瀬直美。今作『2つ目の窓』で、カンヌ出品は5回目。そのほかに、審査員を務めた年もある。2番目の賞にあたるグランプリをすでに受賞している河瀬監督が、ついに最高賞パルムドールを取るかどうかが、注目されるところだ。

ほかの常連監督には、デビッド・クローネンバーグ(『Maps to the Stars』)、マイク・リー(『Mr. Turner』)、アトム・エゴヤン(『Captives』)。ケン・ローチ(『Jimmy's Hall』)、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(『Deux Jours, Une Nuit』)など。

また、3年前に『アーティスト』で初のコンペ入りを果たし、最終的にオスカー受賞に至ったミシェル・アザナヴィシウスが『ザ・サーチ(原題)』を引っさげて再びカンヌ入り。2005年に監督デビュー作『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』がコンペ上映され、男優賞を獲得したトミー・リー・ジョーンズも、監督2作目『The Homesman』で再びコンペに挑む。そのほか、『カポーティ』で注目されたベネット・ミラーの『Foxcatcher』、ジャン=リュック・ゴダールの『Adieu au Langage』もコンペ入りしている。「ある視点」部門では、ライアン・ゴズリングの監督デビュー作『Lost River』も上映される。

コンペ外作品としては、チャン・イーモウの『カミング・ホーム(原題)』、アニメ『ヒックとドラゴン2』などが上映予定。ヨーロッパでの選挙のため、今年のカンヌ映画祭は例年より1日短く、11日間。授賞式は24日(土)。

文:猿渡由紀