(左から)石井裕也監督、妻夫木聡、池松壮亮

俳優の妻夫木聡が13日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われた主演作『ぼくたちの家族』試写会に、共演する池松壮亮、メガホンを執る石井裕也監督とともに出席。近年、家族を描いた作品への出演が続くが「それはたまたま」だといい、「以前から石井監督とお仕事したかったので、オファーをいただきうれしくて。まさに即決でした」と念願の初タッグに改めて喜んでいた。

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一方、前作『舟を編む』で第37回日本アカデミー賞の作品賞、監督賞を含む最多6冠に輝いた石井監督は「このふたりと一緒に戦おうと決めていた」と、兄弟役を務める妻夫木と池松の起用に強い自信をみせた。ふたりは石井監督の最新作『バンクーバーの朝日』(12月公開)にも出演している。

突然下った母親の余命宣告をきっかけに、父親とふたりの息子たちが“最後の悪あがき”をしながら、新しい家族の形を模索するヒューマンドラマ。早見和真の同名小説を映画化した。

妻夫木は「家族は難しいけど、この映画はそのままでいいんだよと言ってくれる感覚。家族は人間にとって答えがない永遠のテーマだが、ぜひ考えるきっかけになれば」と外国人記者にアピール。石井監督も「家族と向き合うことは、その向こうにある社会や自分と向き合うこと。自分にとっては20代最後の作品で、これまでの総決算として取り組んだ」と話していた。

8月に行われる第38回モントリオール世界映画祭のワールド・グレイツ部門に出品されることも決定し、妻夫木は「この映画が大好きなので、海外の皆さんがどんな反応をするか楽しみ」と期待感。現時点ではスケジュールの関係で、現地入りは「厳しい」(妻夫木)といい、池松も「兄貴が行かないなら、自分も行かない(笑)」と“絆”を見せた。

『ぼくたちの家族』
5月24日(土)新宿ピカデリーほか全国公開

取材・文・写真:内田 涼