渋谷ヒカリエで開催された「ひかりTV」の10周年イベント

NTTぷららは4月23日、東京・渋谷の渋谷ヒカリエで「ひかりTV」の10周年を記念したイベントを開催。次の事業戦略の発表や最新のテクノロジーで開発したコンテンツの展示、豪華ゲストによるトークショーなどを行った。

「ひかりTV」は、2008年3月31日にサービスを開始した。映像コンテンツだけでなく、音楽やゲーム、書籍など幅広い分野のサービスを拡充し、この10年で総合エンタテイメントプラットフォームとして成長を遂げた。

「挑戦だらけの10年だった」と代表取締役の坂東浩二社長は振り返る。その言葉通り、4Kコンテンツやマルチサービスで数々の世界初・日本初を達成し、プラットフォーマーとして業界の発展に貢献した。

だが、次の10年に見据えるのはプラットフォーマーとしての成長だけではない。坂東社長は「コンテンツメーカーとして新たな事業に注力していく」と大きな方針転換を打ち出した。具体的にあげたのは、「スマホ向けコンテンツ・アプリ市場の開拓」「『新体感』映像コンテンツ制作」「新技術、新サービスの導入」の三つだ。

まず「スマホ向けコンテンツ・アプリ市場の開拓」は、すでに事業のサービス化に至っている。吉本興業と共同で運営する月額制動画配信サービス「大阪チャンネル」やスマホの縦長の画面に最適化された「タテアニメ」などを展開。今春には「ひかりTV」の50以上の専門チャンネルと約16万本のVODを配信する「ひかりTV for docomo」の開始も目指している。

「『新体感』映像コンテンツ制作」は、360°映像やドローンなど最新テクノロジーを活用してこれまでにないエンタテインメントを提供することを目標に掲げる。例えば、FC今治新スタジアムでは「スマートスタジアム」と称して、観客によるMVP選手投票やライブイベント・動画配信の実施、地域の商業施設情報の配信などの実証実験を行っている。会場ではVRデバイスなしで360°視点でスポーツ観戦を楽しめるシステムも参考として展示していた。

「新技術、新サービスの導入」の例にあがったのは、新4K・8K(BS)の対応、そしてARを活用した「ひかりTV VF」だ。「ひかりTV VF」は、専用アプリからスマホのカメラでARマーカーを映すことで、360°の造形をもつバーチャルフィギュアが出現するサービス。3月には、第一弾としてロックミュージシャンである布袋寅泰さんのギタープレイを、高いクオリティで再現したアプリを販売している。

坂東社長いわく、「ひかりTV」は電話回線の契約数減少が立ち上げのきっかけになったという。現在のテレビからスマホへのメインデバイスの移行は当時の状況に似る。黎明期からIPTVサービスを育ててきたNTTぷららが、次世代のコンテンツの育成でも持ち味を発揮できるか、注目したい。(BCN・大蔵 大輔)

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