左から、蘭乃はな、明日海りお 左から、蘭乃はな、明日海りお

宝塚歌劇団が5月14日、花組公演『エリザベート-愛と死の輪舞-』の制作発表を行った。花組新トップスター、明日海りおの大劇場お披露目公演としても注目が集まる作品だ。

宝塚歌劇花組『エリザベート-愛と死の輪舞-』 チケット情報

物語はオーストリア皇后エリザベートと、“死”=トートとの愛憎をドラマチックに描くもの。今年100周年を迎えている宝塚歌劇団のレパートリーの中でも屈指の人気作で、5年ぶり8度目の上演、今回の花組公演中に観客動員数200万人を超える見込み。初演から演出を務める小池修一郎は「宝塚にとっては久しぶりの上演。私たちスタッフももう一度作品ときちんと向かい合わなければ」と気を引き締めるとともに、「本場ウィーンでは2012年から今年にかけ、三度目のリバイバル上演をしていた。そこで、宝塚のために1996年の初演に提供していただいたナンバー『愛と死の輪舞』という曲がついに使われました。この作品そのものが、宝塚だけではなく海外でも色々な変遷を辿り、それぞれ曲順や物語の解釈が違ったりしています。それらを見るにつけ、宝塚版は宝塚版の魅力があると感じるので、そこに磨きをかけて、新しい『エリザベート』を100周年の年にお送りしたい」と意気込みを話した。

お披露目公演でこの人気作にめぐり合わせた明日海は「この作品はファンの方も多く、8代目トートを演じるプレッシャーはある」と話しつつも、「私は『エリザベート』には2005年・2009年の月組公演に続き三度目の出演になります。三度も出演できる、こんな幸せがあるんだなと思っています。新生花組の団結力で、花組らしいパワーある舞台にしたい」と素直な喜びも口にした。その明日海の相手役として、エリザベートを演じるのは、蘭乃はな。「多くのお客さまに愛されてきたこの作品で、エリザベート役をさせていただくことを光栄に思います。新生花組が素晴らしいスタートを切れるよう、一日一日を大切に、努力を惜しまず、稽古にはげみたい」と話した。ふたりについては小池は「明日海はどちらかといえば少年ぽい、アイドル性のあるところが魅力である反面、こもった情念・情熱を外に出せるタイプのスター。クールに見えて熱い、艶やかな殺気のあるトートになるのでは。蘭乃は清楚なところが魅力だがキャリアもあるので、ひとりの女性としての人生を演じる余裕、キャリアが重ねられていると楽しみにしています」と期待を語った。

公演は8月22日(金)から9月22日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、10月11日(土)から11月16日(日)まで東京宝塚劇場にて。チケットは兵庫公演が7月19日(土)、東京公演が9月7日(日)に一般発売を開始する。