「VoLTE」は6月下旬にスタート

NTTドコモは、国内で初めて高速通信サービス「LTE」を利用した通話サービス「VoLTE(ボルテ)」を6月下旬に開始する。対応端末は2014年夏モデルの6機種だけだが、今後、順次拡大していく。

発表会の冒頭、NTTドコモの加藤薫社長は、「『VoLTE』はLTEを活用した高音質の新しい通話サービス。高音質通話、スピーディな発着信、高速マルチアクセス、ビデオコールの四つの特徴がある」と説明した。

「VoLTE」とは「Voice over LTE」の略で、高速データ通信のLTE回線を利用して音声データを送受信する技術のこと。LTEネットワーク上でも音声パケットの優先制御を行うことで接続品質を確保し、アプリなどで提供しているIP電話サービスと比べて高品質の音声通話ができる。音声周波数帯域は従来の300Hz~3.4kHzに比べて50Hz~7kHzと広く、高音域をよりクリアに表現する。特に女性の声など、高い声がクリアに伝わる。

3Gネットワークへ切り替える必要がないので、より短時間で発着信ができる。発表会場で流したデモンストレーション映像では、「Xi」の通話が発信から着信までに7秒50かかったのに対し、「VoLTE」は2秒66で着信があった。

また、通話中に高速データ通信ができる「高速マルチアクセス」に対応する。音声通話中にインターネットなどのデータ通信を行う場合、受信時最大150Mbpsの高速通信を利用できる。

このほか、テレビ電話サービス「ビデオコール」にも対応。FOMAでもテレビ電話サービスを利用できたが、「VoLTE」は解像度がQVGA相当の高精細で滑らかな映像になる。ビデオコールの映像部分の料金は一般的なパケット通信と同じ扱いで、着信側にもパケット通信料が必要になる。ただし、2015年9月末まではキャンペーンでパケット通信料は無料だ。