マイケル・スペンサー マイケル・スペンサー

日本フィルハーモニー交響楽団は、日本国内のオーケストラとしては初となる「コミュニケーション・ディレクター」のポストを新設。ワークショップの先進国である英国を中心に世界的に活躍するマイケル・スペンサー(音楽家、エデュケーター、ファシリテーター)を同職に迎えた。

「日本フィルハーモニー交響楽団」の公演情報

40年目を迎える「夏休みコンサート」をはじめ、ワークショップや教育活動、地域貢献を積極的に行ってきた日本フィル。今年はさらに「九州公演40年」「杉並区との友好提携20年」「横浜定期300回」など、様々な節目を迎えるにあたって、社会におけるオーケストラの役割を見直し、活動をさらに発展させるには“コミュニケーション”が鍵になると考え、今回のポストを新設する運びとなった。

「コミュニケーション・ディレクター」に就任するマイケル・スペンサーは、音楽創造ワークショップの開発推進において手腕が高く評価される人物。日本フィルとはこれまでにもワークショップを共同制作して関係を築いてきた。「情報が溢れかえっている現在、特に若者には様々な“学び方”を身につける必要が出てきました。私は“学ぶ”ということは、“好奇心”と“何を選択するか”と“人と人との良い関係を構築していくこと”だと考えます。音楽を作る過程で、この3つの要素は常に存在しているので、音楽が“学ぶツール”として機能すると信じています」と意気込みを語る。

今後は、日本フィル楽団員とのワークショップの共同開発のほか、「どうしたらクラシック音楽を楽しく聴けるか」など、聴衆との新しい繋がり方の構築に取り組んでいく。まず、就任後の新企画として「東京定期演奏会」を題材としたワークショップを開催。「オケのテイキは、おもしろい」と題して、本格派のオーケストラ・プログラムをワークショップを通じて、「体験して学ぶ」ことで新しい音楽の楽しみ方を発見してもらうことが狙いだ。

◆マイケル・スペンサー&日本フィル ワークショップ「オケのテイキは、おもしろい」
【5月東京定期】大人対象ワークショップ
5/17(土) サントリーホール
【6月東京定期】学生対象ワークショップ
5/14(水)・15(木) 女子美術大学
【9月東京定期】子ども対象ワークショップ
夏頃開催予定
※ワークショップの申込は日本フィルハーモニー交響楽団の公式サイトなどで受付。

●マイケル・スペンサー プロフィール
元ロンドン交響楽団ヴァイオリン奏者、元英国ロイヤル・オペラ・ハウス教育部長。世界各地の芸術団体や企業らと芸術による教育・地域・人材育成プログラムの開発・実践を行い、高い評価を受ける。日本でも過去15年以上、日本フィルハーモニー交響楽団や国内プロオーケストラと教育プログラムを多数実施。2008年、教育ディレクターを務めた『ピーターと狼』がアカデミー賞(短編アニメ部門)受賞。上野学園大学音楽文化研究センター客員研究員。