世界最大の家電見本市「CES 2012」が開幕

【ラスベガス発】全米家電協会(CEA)が主催する世界最大のコンシューマエレクトロニクスの祭典「2012 International CES(CES 2012)」が、現地時間の1月10日、米国ラスベガスで開幕した。日本・欧米・韓国など、世界のIT・デジタルメーカー約3100社が出展。CEAでは、140か国以上から約15万人の来場者を見込んでいる。会期は13日まで。

初日は快晴で、朝早くから多くの人が会場のラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)に足を運んだ。CEAによれば、今年の目玉は、タブレット端末、ウルトラブック、テレビの4K化/3D化、自動車関連。CEAのゲイリー・シャピロ会長兼CEOは、タブレット端末に関して「昨年に引き続きホットなアイテム」と説明している。

また、「米国では、家庭のテレビの半分以上がインターネットにつながっている」(シャピロ会長)ということから、出展企業は、例えばウェブサービスとテレビの連動にタブレット端末を活用するなど、より具体的な用途提案に心を砕いている。

テレビについては、「(超高精細の)4Kによって映像がより美しくなっていることはもちろん、3D映像がグラスレスで視聴できるようになった」(シャピロ会長)。また、サムスン電子とLGエレクトロニクスの韓国勢が55インチの有機ELテレビを発表し、パナソニックも有機LEの開発を表明したことから、ますます「鮮明な画像」の主導権争いに拍車がかかる。

インテルが提唱するモバイルPCの新カテゴリ「ウルトラブック」は、「(米国では)100ドルを切る価格帯で、薄型・軽量のスリムなデザインで人気が高まっている」(シャピロ会長)という。提唱者のインテルは各メーカーの「ウルトラブック」を展示し、コモディティ化したノートPCの復権に動く。

デジタルカメラで富士フイルムのミラーレス一眼参入や、家庭内のエネルギー効率化が現実味を帯びてきたことも話題の一つ。さらに、EV(電気自動車)を切り口にエネルギーの効率利用を訴える「自動車関連の出展も多い」(シャピロ会長)という。

CESの模様は、順次レポートする。(佐相彰彦)