11.6型のWindowsタブレット端末「Miix 2 11」

レノボが昨年末に発売した8インチのWindows 8.1タブレット端末「Miix 2 8」が、人気を集めている。この「Miix 2」シリーズで、液晶ディスプレイが11インチとひと回り大きくなった「Lenovo Miix 2 11」が、5月中旬に登場した。microSDカードやUSBへの対応など、周辺機器の拡張性にすぐれ、通常のWindows PCと同じアプリケーションがそのまま使える「Lenovo Miix 2 11」。ビジネスやプライベートシーンでどのように活用できるか、実機を使って検証した。

●キーボードが着脱できるタブレット端末 ノートPCとしても活躍

「Miix 2 11」の11.6インチディスプレイは、1920×1080ドットのフルHD解像度で10点マルチタッチ対応のIPS液晶ディスプレイ。画面を斜めに傾けて見ても、明るく色鮮やかだ。屋外で使うこともあるタブレット端末なので、画面の見やすさが確保されていることは心強い。

最大の特徴は、スタンドにもなるキーボード「AccuTypeキーボードドック」をセットにしたこと。ふだんはタブレット端末として、文書やメールを作成するときは、キーボードドックを装着して、タブレット端末を立てかけたスタイルで快適にキーボードタイピングができる。クラムシェル型のノートPCと変わらない操作感だ。

さらに、カバンに入れて持ち歩くときには、ディスプレイカバーとして画面を保護してくれる。端末をマグネットでしっかりと固定するので、不意に端末が外れてしまう心配がない。タブレット端末は、単体で約800g。キーボードドックを装着しても約1.35kgという軽量設計は大きなメリットだ。外装は高級感のあるつや消しシルバーに仕上げた。

CPUはインテルのCore i3 4012Yプロセッサ(1.50GHz)を搭載。メモリは4GBで、128GBのSSDを内蔵する。OSは64bitのWindows 8.1。ビジネス用のアプリケーションだけでなく、動画や写真、音楽の再生など、エンタテインメントのコンテンツ再生も機敏なレスポンスで操作ができる。タブレット端末にmicroSDカードリーダーやUSB2.0、Micro-HDMI端子を備え、周辺機器やメディアとの連携も万全だ。

本体の背面には5メガピクセル、フロント側には2メガピクセルのカメラユニットを内蔵し、撮影した写真をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や写真共有サイトにアップしたり、Skypeでビデオ通話したりできる。

●ビジネスシーンにはキーボードが必須! Officeつきで閲覧・編集も

「Miix 2 11」は、ビジネスソフトの定番、Microsoft Office Home & Business 2013を標準で搭載。WordやExcel、PowerPoint、OneNote、Outlookという快適なビジネスアプリケーションを、買ってすぐに使うことができる。

会社のPCで作成したWordやExcelなどのビジネスドキュメントを、外出時に「Miix 2 11」で閲覧・編集できるので、効率よく仕事を進めることができる。またOffice 2013シリーズには、タブレット端末でのタッチ操作に最適化した「タッチモード」があるので、WordやPowerPointの文章閲覧や編集が非常にスムーズだ。頻繁に使うビジネスアプリケーションは、Windows 8のスタートメニューにアイコンを配置できる自由度の高さも、Windowsタブレット端末の魅力といえる。

人間工学にもとづいて設計したキーボードは、とても使い心地がよかった。隣接するキー同士のピッチがしっかり確保されていて、ブラインドタッチのタイプミスが起きにくかった。キーストロークは適度に深く、軽快な手応えが得られる。キーボードドックの左右に一つずつ、計2系統のUSB2.0端子を装備し、マウスやUSBハブなどを接続できる。

作成したドキュメントは、7GBのオンラインストレージが無料で利用できるマイクロソフトのクラウドストレージサービス「OneDrive」に保存しておくといい。また、同じクラウドのスペースを「Miix 2 11」のほかに複数のデバイスで共有できるので、例えば会社のPCと「Miix 2 11」で、最新のデータを異なる場所にいながら共有・参照したいときに真価を発揮する。

約2.5時間の充電で、約8.2時間連続駆動するバッテリを内蔵する。外出前にフル充電にしておけば、だいたい1日はもつ。ビジネスシーンだけでなく、飛行機など、長時間の移動のときも活躍してくれそうだ。

●プライベートシーンでは、フルHD液晶とステレオスピーカーが威力を発揮

プライベートシーンでは、どれほど活躍が期待できるだろうか。ひと目見たときは、11.6インチの画面がタブレット端末として使うには少し大きめに感じられたが、フルHDのディスプレイの精細感を一度味わってしまうと、後戻りができなくなってしまった。

デジタル一眼カメラで撮影した写真を再生すると、映像はしゃきっとした解像感があり、色合いも誇張することなく、とても自然に表示する。画面の小さいタブレット端末やスマートフォンは、家族や友人などといっしょに写真を楽しむにはいささか窮屈だが、「Miix 2 11」の11インチの画面ならフォトビューワとしての利便性も高い。

アメリカのハイエンドオーディオブランド、JBLが設計したステレオスピーカーを搭載。スピーカーは本体フレームの左右と、キーボードドックの背面側に配置している。スピーカーが正面に向く方向で、タブレット端末をドックに装着する「スタンドモード」のスタイルでは、音楽や動画コンテンツの再生が立体感のあるパワフルなサウンドで楽しめる。

Windowsタブレット端末は、ブラウザがFlashをサポートしているので、タッチ操作に対応したさまざまなブラウザゲームが楽しめる。例えば、角川ゲームスが開発し、DMM.comが配信しているPCブラウザ向けのシミュレーションゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」は、Windows/Mac OS上でプレイできる。

「Miix 2 11」なら、大きな画面で「艦これ」の世界に没入できるうえ、JBL設計の内蔵ステレオスピーカーで、ゲーム音楽も立体的でパワフルなサウンドで楽しめる。

●チューナーを差せばポータブルテレビに早変わり

写真や音楽、ゲームの再生に最適な「Miix 2 11」だが、今回はピクセラのモバイルフルセグTVチューナー「PIX-DT300」を接続してテレビ番組を楽しんだ。

フルHDの高精細なディスプレイがフルセグ放送を緻密に再現する。サッカーの試合では、フィールド全体を捉えた映像に映る選手の背番号やボールの動きがよく見えた。内蔵スピーカーから再生される人の声も、非常に明瞭で聴き取りやすかった。

チューナーはコンパクトなUSBスティックサイズなので、タブレット端末といっしょに持ち歩くことができる。ロッドアンテナで、外出先でも安定した電波受信を実現。家庭のアンテナケーブルと接続できる変換ケーブルが付属しているので、十分に受信できない室内で使う場合でも、安定した映像を受信する。

●11インチ台の大画面タブレット端末の魅力を実感

一人暮らしの人にとっては、ビジネスシーンやプライベートシーンで、ノートPC、タブレット端末として活用しながら、さらにテレビも満喫できてしまう。

例えば、Excelのシートを全画面表示したときに、より多くの情報が表示できたり、また、デジタルカメラで撮影した写真をスムーズに加工したりできる。ビジネスシーンでは11.6インチの大きな画面サイズが非常に高い親和性を持っていると実感した。

プライベートシーンでは、高音質のスピーカー内蔵する「AccuTypeキーボードドック」を組み合わせて、映画や音楽などをじっくり楽しむことができる。リビングではドッキングスタイルで鑑賞して、寝る前にはタブレット端末モードにして、ベッドサイドでくつろぎながら楽しむといった使い分けができるのが便利だ。

また、対象製品を購入するとデジタル雑誌・漫画が抽選で当たる「デジタル雑誌1年分ドーンとプレゼントキャンペーン」を実施している。対象製品は「Miix 2」シリーズ、「IdeaPad Miix」シリーズ、「YOGA TABLET」シリーズ。期間は、7月31日購入分までで、8月15日まで応募を受け付ける。抽選で20人にデジタル雑誌1年分が、10人にコミック全巻が当たる。

さまざまなライフスタイルを全方位でカバーする「Miix 2 11」。Windows XPからの買替えを検討している人にも、最適な選択肢になる。(オーディオ・ビジュアルライター 山本 敦)