『X-MEN:フューチャー&パスト』を手がけたブライアン・シンガー監督(C)2014 Twentieth Century Fox.

映画『X-MEN:フューチャー&パスト』がいよいよ明日から公開になる。本作でシリーズを支えてきたブライアン・シンガーが監督に復帰した。彼は自らメガホンをとった作品でどんなドラマを描こうとしているのだろうか? また、シリーズのどこに魅力を感じているのだろうか? 公開前に話を聞いた。

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本シリーズは、特殊な能力をもって生まれてきた者たちがふたつの勢力に分かれて、人類との共存と人類の破滅を掲げて壮絶なバトルを繰り広げるアクション大作。最新作では未来世界を舞台に、猛威をふるうバイオメカニカル・ロボット“センチネル”の活動を阻止するため、センチネルの開発が始まった1970年代にウルヴァリンの魂を送り込んで、過去と未来の両面で戦いを繰り広げる様を描く。

シンガーは『X-MEN』と『X-MEN2』で監督を務め、前作『…ファースト・ジェネレーション』では原案と製作を担当するなど、シリーズを長きに渡って支えてきた。本シリーズでは「疎外感や戦争への怖れといったテーマを忠実に描くことを心掛けている」というシンガー監督は、久々の監督就任作でも「登場人物が進む道筋に誠実」であることを心がけたそうだ。「新作では、彼らの運命を変えてしまったポイントへ戻ろうとするストーリーが素晴らしいと思う。最も気をつけていたのは、タイムトラベルに信憑性を持たせること。フューチャー(未来)とパスト(過去)で自然に物事が起きるようにしなくてはいけないから。物理的なルールを作り、つじつまが合うようにしたよ」。

壮大なスケールのドラマに応えるかのように、アクションも壮大なものに仕上がった。一部のシーンは3Dカメラで撮影されたそうでシンガー監督は「最初に『X-MEN』を撮ったときはデジタルの黎明期だったが、今はあらゆるデジタルの技術が開発されている。それらは3Dでもとてもすばらしい効果を現してくれる。この映画で使っているビジュアル・エフェクトは3Dで観るととてもクールだよ。そういうものは2000年にはなかったから、楽しみが増えたと言えるね」という。

しかし、シンガー監督が描きたいのはあくまで“特殊な能力を持ってしまったゆえに苦悩するキャラクターたちのドラマ”だ。「アクションは物語を確証させる要素であって、前面に出て来るものではない。もちろんアクションは楽しくてカッコいいけれど、物語ありきだよ。この映画のキャラクターたちは、恐怖や嫌悪を持つ人たちを象徴しているのだと思う。絶滅の恐怖を抱いている人たちだ。どんなときでも、どんな社会でもそこには法律があり、ある種のグループに対する怖れがある。そういったものが『X-MEN』をとても普遍的で世界共通のものにしていると思うよ」。

『X-MEN:フューチャー&パスト』
5月30日(金) TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー