『ポンペイ』(C)2014 CONSTANTIN FILM INTERNATIONAL GMBH AND IMPACT PICTURES (POMPEII) INC.

『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督が手がける最新アクション大作『ポンペイ』が間もなく公開になる。火山の噴火により一瞬にしてこの世から消えた海辺の都市ポンペイを舞台に、戦士マイロの戦いと美しい娘カッシアとの切ない恋を描いた作品で、英国出身のキット・ハリントンがマイロを演じている。

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マイロは、ケルト騎馬民族の生き残りで、幼少期に両親を殺したローマ人に復讐を誓いながら、奴隷商人に捕らえられてグラディエーター(剣闘士)としてポンペイに連れてこられる。自由もなく、仲間もなく、目の前の相手を殺すことにだけ集中しているマイロは多くのヒーローとは違う。ところが、電話インタビューでハリントンは「僕がこの役を引き受けた理由はそこにあった」という。「最初に脚本を読んだ時からマイロの人物像が気になっていた。マイロは家族を殺され、復讐と怒りしかない人物なんだ。しかし、彼はある出会いから変化を遂げていく。とても魅力的なキャラクターだよ」。マイロはポンペイに向かう途中で街の有力者の娘カッシアに、コロッセオでポンペイ最強の戦士アティカスに出会い、怒りだけではない感情をおぼえていく。「この物語がポンペイで起こったということが重要だと思う。そこは一瞬にしてすべてが終わってしまった場所だけど、マイロはすべてが終わる前に変化し、希望を感じるんだ」。

劇中では壮大なアクションや格闘シーンもふんだんに描かれる。ハリントンは撮影のために訓練を重ね、4か月間に渡る撮影中もトレーニングに明け暮れた。しかしハリントンは「どんな苦しい場面や撮影でも必ず(監督の)ポールがいてくれた」と振り返る。「彼ほど仕事熱心な人には会ったことがないよ。彼はこの映画を6年かけて準備したんだ。その精神力はスゴいと思う。それにこの映画はみんなが思っているほどCGを使っていない。ポールは実際にポンペイのセットを建てて演技させてくれた。(CG合成用の)グリーンスクリーンの前で演技するとは反応が違う。俳優にはできるだけリアルな状況を与えるべきだよ」。

さらにハリントンは撮影前にポンペイに関するリサーチを重ねたそうだ。「この映画はアクション映画で史劇じゃない。でもポンペイが消えた日、一体、どんなことが起こり、人々がどう逃げようとしたのか調べたよ。演技のどこかの部分にリアリズムを入れこむべきだと思ったからね」。映画もアクション、スペクタクル、ロマンスの要素がギッシリと詰まった作品でありながら、巨大な街がどのようにして没したのかがリアルに描かれる。「ポンペイは象徴的な存在としてずっと語り継がれた存在だ。僕もこの映画を通してポンペイに魅了されたよ」。

『ポンペイ』
6月7日(土)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

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