大根仁監督、『恋の渦』の手応えを明かす

2014.6.3 16:54配信
大根仁監督

『モテキ』の大根仁監督が撮影期間4日、無名俳優を起用し、製作費は数十万という低予算で作り上げ、センセーションを巻き起こした映画『恋の渦』。ブルーレイ&DVD発売を前に、改めて大根監督に本作が映画界にあけた“風穴”について話を聞いた。

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原作は、映画『愛の渦』も話題を呼んだ三浦大輔の手による劇団ポツドールの舞台。部屋コンに集まった男女9人のゲスでリアルな恋心と下心、ウソと本音が交錯していくさまを描き出す。

映画公開当初は期間限定の計12回の上映で終わるはずが、連日立ち見続出の大盛況で拡大ロードショーとなった。撮影時から「インディーズの枠を越えた面白さがあるという自負を持っていたし、観た人が口コミで他人に勧めてくれるだろうという自信、予感はあった」と語る大根監督だが、それでも「ここまでの反響は正直、予想外だった」と明かす。

“時代の先端、若者文化を見事に捉えた”とも評されるが、原作の舞台が上演されたのは2006年。その時点で「誰かに手を付けられない内に俺がやらなきゃと思った」という。今回、ワークショップで選んだ無名の俳優陣が起用されているが「それも最初に舞台を観たときのインパクトが大きい。ほとんどの役者が『誰?』という感じで、でもそれが面白いという匿名性の魅力を感じた。三浦くんは『あいのり』を観て、この作品を思いついたって言ってるけど、いまの『テラスハウス』と一緒(笑)。知らない人だからこそ面白いし、客観的に見えるし、自己投影もしやすい。これが有名なキャストでやったら、その人のバックボーンも込みで観てしまって、ここまで感情移入できなかったと思います」と分析する。

自らの作品と時代の親和性について「ユースカルチャーや若者の恋愛事情を描くとき、オッサンくさいのは恥ずかしいでしょ(笑)? そこは気を遣います」と笑いつつ、作品作りにおいては「作り手というよりも観客、視聴者の意識の方が強い。自分がどういう作品を観たいか? という感覚が一番大きい」とも。

だからこそと言うべきか、映画作りの手法に確実に風穴をあけたと言われる本作だが、大根監督自身は「むしろ、僕としては映画界というより“観客席”に少しは風穴をあけられたかもという思いの方が強い」と観客目線での手応えを明かす。「公開時、友達同士、女の子同士で劇場に足を運んでくれた人が多いと聞きました。今回のブルーレイ&DVDについて、僕の方からこの作品をどういう視点で掘り下げて観てほしいかというメッセージはないですが、『面白いから一緒に観よう』と誰かを誘う道具に使ってもらえたら、この作品にとって一番幸せなこと。映画館で観るのと違う感じで、ガヤガヤとみんなでツッコんだりしながら観てもらえたらうれしい」。

『恋の渦』
6月4日(水)ブルーレイ&DVD発売、DVDレンタル開始

取材・文・写真:黒豆直樹

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