『グランド・ブダペスト・ホテル』撮影中のウェス・アンダーソン監督とジュード・ロウ(C)2013 Twentieth Century Fox

『ダージリン急行』『ムーンライズ・キングダム』のウェス・アンダーソン監督の最新作『グランド・ブダペスト・ホテル』のメイキング映像が公開になった。物語の舞台になっている架空のホテル“グランド・ブダペスト・ホテル”ができるまでを追った貴重な映像だ。

『グランド・ブダペスト・ホテル』メイキング映像

本作は、1930年代にヨーロッパの東にあった“グランド・ブダペスト・ホテル”に勤務している伝説のコンシェルジュ“グスタヴ・H”が常連客のマダムの死去にともない、遺産相続のトラブルに巻き込まれたことから、汚名をはらすためにヨーロッパを飛び回りながら真相究明に乗り出す様を描いている。

アンダーソン監督は巧みな語り口や、個性豊かなキャラクター、計算し尽くされたカメラワークなどが高い評価を集めている若き天才だが、劇中に登場するセットや美術も毎作、大きな注目を集めている。『ライフ・アクアティック』では巨大な潜水艦の断面図のようなセットが登場し、『ファンタスティック Mr.FOX』では絵本の世界をミニチュアで完全に再現したが、本作では1930年代に栄華を極めたグランドホテルが登場。アンダーソン監督とスタッフたちは、ヨーロッパ中の歴史あるホテルを取材し、使われていない百貨店を改装し、吹き抜けの広々とした空間、様々なデザインが組み合わされた内装、独創的な色づかいの“グランド・ブダペスト・ホテル”を作り上げた。また、劇中には全盛期を過ぎて、さびれてしまった同ホテルも登場するが、メイキング映像ではいかにして、同じ空間の中で様々な時代のホテルを描くことができたのかも紹介されている。

本作も、過去のアンダーソン作品同様、観客の目がクギづけになるビジュアル、愛らしい小物、細部まで考え抜かれたコスチュームが次から次へと登場しており、メイキング映像は作品世界の“裏側”を観ることができる貴重な資料になっている。

『グランド・ブダペスト・ホテル』
6月6日(金) TOHOシネマズシャンテ、シネマカリテほか全国ロードショー