インドネシアでの撮影を振り返ったディーン・フジオカ

 映画『海を駆ける』の完成披露上映会が7日、東京都内で行われ、出演者のディーン・フジオカ、太賀、阿部純子、鶴田真由、深田晃司監督が登壇した。

 本作は、深田監督のオリジナル脚本で、インドネシアのバンダ・アチェを舞台に描くファンタジー。

 謎の男ラウを演じたディーンは「アチェでオールロケと聞いて、最初は“気が狂っているな”と思いました」と語った。

 妻子がジャカルタに住んでいるディーンにとって、インドネシアはなじみ深い国であるはずだが「アチェは30年ぐらい内戦が続いた歴史もあって。同じ国だけど外国のイメージ。そんな危ない所に何にしに行くんだと思った」と、最初は驚きしかなかったという。それでも「不思議な体験でした。祖国を経由してアチェで撮影できたことは誇りに思う」と胸を張った。

 アチェは、2004年の大震災による津波で壊滅的な被害を受け、今もその傷跡が残っている。NPO法人で災害復興の仕事をしながら息子タカシ(太賀)と暮らす貴子を演じた鶴田は、インドネシア語のせりふに苦労したという。

 鶴田は「本番に訳が分からなくなることもあって。(台本の)ページをめくるたびにインドネシア語って書いてあり、帰国子女の方がやったほうがいいんじゃないかってぐらい、いっぱいありました。台本を見ながら、なんで(インドネシア語が)しゃべれるディーンさんにせりふがないんだと思って!」とボヤいて、笑いを誘った。

 太賀も、インドネシア語は初挑戦で「とても難しかったけど、やるしかないと思って、細かい部分は現地のスタッフに教えてもらいながらブラッシュアップしました」と振り返った。

 ディーンは「脚本を見た段階で、お二人はこれをどうするんだろうと思っていたけど本当にすごかった。現場でその姿を見て、鳥肌が立ちました」と称賛した。

 女性ファンの立ち見が出るほど大盛況だった同イベント。鶴田が「今日はディーンファンが多いと思うのですが、私とのラストシーンがものすごく美しいです。芝居しながら見とれました。なんてピュアな目をしている人なんだろうと思って…」と語ると、ディーンは照れ笑いを浮かべた。

 映画は5月26日からテアトル新宿ほか全国ロードショー。