【食品】3年かけて追求した「あき津”」の明太子

全国的にじわじわ人気が広げている福岡の明太子専門店「あき津”」の明太子を紹介します。

 いまや国民食となった明太子は、
戦前、韓国に住んでいた「ふくや」の創業者が考案したものだ。
キムチの汁に漬け込んだタラコが大好きだったことから、
昭和23年、福岡の中洲に構えた店で明太子を作りはじめた。
スケトウダラは朝鮮語で「ミョンテ」。
これを漢字で書くと「明太」。
その卵だから「明太子」と名付けられた。

当初、福岡でほそぼそと食べられてきたが、
山陽新幹線が全線開通(1975年)したことで、次第に全国に広まっていった。
現在、博多には数多くの明太子メーカーがあり、
それぞれの味を追求している。

その中にユニークな経歴を持つ明太子職人がいる。
明太子専門店「あき津”」(あきづ)の安田樹生さんだ。
「目の届く範囲で、まっとうな明太子を作る」
だから作り手は安田さんだけ。これがあき津”のモットー。

11年前、初めて会ったとき、安田さんは居酒屋「男の食彩あき津”」の大将だった。
コンピュータ会社の社長だった安田さんは、
旨い明太子を研究するため、居酒屋を開業した。
夜は作務衣に着替え、居酒屋の大将に変身。
料理学校で特別講師をしていた経験があるだけに腕は玄人はだし。
自分が納得できる明太子を、3年かけて追求した。

昆布と鰹節でとったダシに酒みりん、純米酒、無添加醤油を加え、タレを作る。
このタレに上質のタラコを漬け込み、1週間冷蔵庫で寝かせる。
これがあき津”の明太子だ。
多くのメーカーが、一味唐辛子が入ったタレに明太子を漬け込む。
そのため、「明太子は辛いものだ」と思っている人が少なくない。
一方、あき津”では、最後の仕上げに一味唐辛子をかける。
ただ辛いだけのものと比べ、あき津”の明太子は天然の旨みが利いているのが特徴。

明太子 極附(きわめつけ)」(180g/約3~4本入り 3,150円)
安田さんが時間をかけて独自の製法で創りだした、旨みの利いた明太子。
辛いだけが明太子ではないことを実感できる。













 

居酒屋時代、全国放送の、有名な料理バラエティ番組から打診を受けた。
「もんじゃ焼きにあき津”の明太子を使わせてほしい」という依頼だった。
「1本もののタラコをもんじゃ焼きに入れて、ぐちゃぐちゃにされてたまるか」
オファーを断った。

その後、明太子作りに専念するため、
居酒屋を後輩に任せ、明太子専門店「あき津”」を創業。
あのときテレビで紹介されていたら、一躍有名になったかもしれない。
断ったことでいまも小さな工房で、明太子作りに励んでいる。
近年、全国のデパートから催事に呼ばれようになった。
おかげで徐々にあき津”ファンが増えはじめ、リピーターも多くなってきた。

あき津”の明太子の特徴は、包丁でスパッときれいにきれるところにある。
プリプリ感のある卵が歯に心地良い。
 

   

 











昨今、ラインナップが充実してきた。
その一部を紹介する。

イワシめんたい」(1尾 399円)
千葉県銚子で水揚げされたイワシに、明太子を詰めた惣菜。
魚焼き網か、テフロン加工のフライパンで焼いて食べる。
プリプリの明太子と、脂がのったイワシが絶妙。
 

   

 









  

   












本漬サケカマ」(3枚入り 1,050円)
北海道襟裳産の鮭のカマを、明太子を漬けたタレに寝かせて熟成させた。

   

 











魚焼き網か、テフロン加工のフライパンで焼く。
明太子の旨み成分が利いたタレに漬け込むため、ピリっとした味が楽しめる。
酒の肴にもいいが、炊きたてのご飯といっしょが旨い。
お茶漬けもおすすめ。
おにぎりにしてもこれまた美味。
鮭のカマと、あき津”オリジナルのタレが遭遇したことで
またひとつ旨いものが誕生した。
 

   

 











フグ皮めんたい」(100g 1,050円)
博多といえばふぐ。
コラーゲンがたっぷりなふぐの皮を明太子で和えた。
酒のアテに最適。
酒好きな上司に贈ったら、喜んでくれるはずだ。
 

   

 











紹介した商品は、あき津”のオンラインショップで購入可能です。

【問い合わせ先】
あき津”
 


 

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。

 

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