タンパク質と糖質を含む食材を加熱すると褐色になります。これが「メイラード反応」と呼ばれるもので、先ほどの焼き色の正体。この反応の過程で、体にとっての悪玉物質「AGE」が大量に発生すると言われています。
(※AGE:Advanced Glycation End-products/終末糖化産物)

「糖化」とは、このように「タンパク質」と「糖質」が結びつくことによってタンパク質が劣化することで、同じことが日々、人間の体の中で起こっているそうです。なぜなら…

⇒人間の主要な組織は「タンパク質」でできている
⇒人間は毎日、ごはんやパンなどの「糖質」を食べる

タンパク質×糖質=「糖化」。

つまり、ヒトが呼吸によって酸素を取り入れることで起こる体の「酸化」と同様に、「糖化」も、生きている限り避けられないものなのだとか。

 

糖化によって老化の原因「AGE」が発生

ここで注目したいのが、糖化の過程で必ず作られてしまう、先述の「AGE」という物質。
このAGEが体の中のタンパク質と結びつくことで、コラーゲン繊維や血管、骨の老化が進み、がんが発生したり、白内障やアルツハイマー病の原因となったり、さまざまな病気につながってしまうそうです。

AGEについて、以下にまとめてみました。

⇒「AGE」は、毎日体の中で産生される。
⇒「AGE」は、あらゆる食品の中に含まれる。
⇒「AGE」は、食品を加熱することによってさらに増える。
⇒「AGE」は、体内に蓄積され、加齢とともに(特に40歳を境に)増える。
⇒「AGE」は、血糖値が高い状態が続くと、産生されやすい。
⇒「AGE」は、喫煙や紫外線など、酸化ストレスによっても生じやすくなる。

食品から入ってくるAGEの大半は消化の過程で分解され、尿とともに体外に排出されますが、全体の0.6~0.7%は体内に残ります。そして年齢とともに増えていきます。

また、血糖値が高い状態が続くと、コラーゲン繊維など体内のタンパク質と結びつき、AGEが生じやすくなるそうです。また、糖化と酸化とは密接な関係があり、酸化ストレス下にあると発生しやすくなるとか。

ところで、健康診断の検査項目に、「HbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)」という項目があるのをご存知でしょうか? HbA1cとは、AGEの初期物質で、ヘモグロビン(赤血球の中の成分)の糖化の度合いを示しているそうです。つまり数値が高いほど糖化が進んでいる、ということになり、基準の上限を超えると糖尿病とみなされます。ちなみに、厚生労働省の基準値は5.6%未満。(私も過去の数値を調べてみたところ、なんと5年前は5.7%という数値。今年1月の結果は5.4%だったので、生活の中で改善できるようです)