ドラマW「モザイクジャパン」
アダルトビデオ業界が舞台という、民放地上波ではなかなか実現しにくいテーマにWOWOWが挑戦。ドラマでは異例の「R15+指定相当」という有料放送ならではの意欲作「モザイクジャパン」を手掛けるのは、近年「最高の離婚」で高い評価を受け次回作が待ち望まれる坂元裕二。過激かつ過酷なAV業界の実態に迫る作品の魅力を紹介します。

さまざまなタブーに挑戦してきたWOWOWの新境地

WOWOWの“連続ドラマW”枠は有料放送(一部無料放送の場合あり)であるため、視聴率やスポンサーの意向に左右されないことを武器に、これまで数々の話題作や問題作を世に送り出してきた。そして今回、新たに挑んだテーマはAV業界。人間の欲望を、あの手この手で刺激する魅惑の世界に視聴者をいざなっていくが…。

 

物語は、東京の証券会社をリストラされた主人公の青年・理市(永山)が故郷に帰ってくるところからスタート。

彼は地元で再就職を果たすが、なんとそこはAVメーカーだった。働き始めた頃は、生まれ育った田舎町がAV業界に乗っ取られ、親友や恩師が当たり前のように男優や女優としてビデオに出演する姿に戸惑う理市だったが、次第に金と女、そして快楽に溺れていき、やがて自身も破滅の道へと向かっていく——。

第1話の冒頭からアエギ声が飛び出し、画面のあっちこっちで裸の男女が絡み合うシーンも満載!「さすがにこれじゃ民放地上波では無理だ」と思われる描写がてんこ盛りだが、そんな大胆不敵なストーリーを担当したのは脚本家の坂元裕二。

かつて「東京ラブストーリー」で一世を風靡して、最近では「Mother」「さよならぼくたちのようちえん」「Woman」などの話題作を手掛けたヒットメイカーだ。演出は、その坂元の近作3本を映像化した水田伸生。稀代のクリエイターたちがコンビを組み、テレビドラマ界に新しい風を吹き込んでいる。