自宅売却をサポートする「ホームステージング」サービスを展開するホームステージング・ジャパンは、中古物件を購入したことがある全国の20歳代~60歳代の男女561名を対象に実施した「安心R 住宅に関する調査」の結果を発表した。

「安心R 住宅」は、国土交通省が既存住宅の流通促進に向けて、従来の「不安」「汚い」「わからない」といった中古住宅のマイナスイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できる環境を整備するために4月1日から開始した新しい制度。「安心R住宅調査報告書」には物件選びに役立つ情報が記載され、国土交通省は、売買契約前に確認するよう推奨している。

「安心R 住宅」について、全体の18.9%が「知っている」と回答。20代では31.3%、30代では24.1%と、若い世代ほど認知度が高かった。一方で、40代は11.6%、50代は12.7%、60代以上は14.3%にとどまった。

新築物件と中古物件の印象をたずねると、中古物件に対して、約8割が「不安・汚い・わからない」のいずれかのイメージを抱いており、そうしたマイナスイメージを抱いていないのはわずか19.1%だった。対して新築物件は67.4%が「不安・汚い・わからない」というイメージを持っていない。

理由としては、いずれも「前にどんな人が住んでいて、どういった使い方をしていたのかがわからない」が多かった。また、「なんとなく」という回答も多く、イメージだけでマイナスの印象を持っている可能性も考えられる。

物件の購入を検討する際に気になる点をきくと、新築/中古、戸建て/マンションいずれの場合も「耐震性」が最も多く、約6割にのぼった。新築では「補償・アフターサービス」(48.0%)が続き、中古では「内装の傷・汚れ」(57.2%)が「耐震性」と並び、「設備の状態」も51.3%と高かった。

物件購入時に、新築マンションでは36.7%、新築戸建てでは38.1%、中古マンションでは71.5%、中古戸建てでは71.3%が耐震性に不安があると感じており、年齢が高まるにつれて不安を感じる割合が増える傾向にある。とりわけ、50代以上では約8割が中古戸建て/マンションの耐久性に不安を持っていた。

中古物件の築年数と耐震への不安との関係を見ると、戸建て・マンションともに築10年以上で不安を感じる人が約3割ともっとも多く、築3年未満~約20年までに不安を感じる人は6割を超える結果となった。1981年の新耐震基準を導入した以降の物件も不安の対象に入っている。

このほか、建設時のコンセプトについては、全体の約5割が「気にする」と回答しており、中古物件でも4割が気にするなど、築年数が経っていたとしても、自分の購入する物件がどういったコンセプトを持っているかは気になるようだ。