山本耕史、観月ありさ 山本耕史、観月ありさ

香取慎吾、観月ありさ、山本耕史、橋本さとし、霧矢大夢……主役級の俳優がズラリと顔を揃える空前の豪華キャストミュージカル、『オーシャンズ11』が6月9日、東急シアターオーブにて開幕した。2001年に大ヒットした同名映画を元に、2011年に宝塚歌劇団がミュージカル化した作品を、宝塚版を創り上げた小池修一郎が演出し直した新バージョン。初日を前に行われた公開稽古と、香取、観月、山本による囲み会見を取材した。

妻テス(観月)と離婚の危機にある天才詐欺師ダニー・オーシャン(香取)が、昔なじみのラスティー(山本)らを誘い、ラスベガスのホテル王ベネディクト(橋本)が経営するカジノの金庫破りを企てる──。痛快なストーリーは映画のままに、イリュージョンあり、ワイヤーアクションあり、客席降りありの華やかな演出が、舞台ならではの『オーシャンズ11』を描き出していく。意外な部分が回転する装置といい、女優陣の美しさを引き立てる衣裳といい、ダイナミックなダンスといい、とにかく全てがゴージャス。それらがダニーの計画の壮大さと見事に合致し、娯楽大作と呼ぶにふさわしい作品に仕上がった。

スーツをビシッと着こなしてダンディなダニーを演じた香取は、それがまだ「30%くらいの力」だったことを会見の場で告白。「まだ稽古ですから。本番になったらハンパじゃないですよ!」とパワーアップを宣言して見せる。だが30%でも稽古場に比べると大分“本気”だったようで、観月から「でも今日はちゃんとダニーだったよ。稽古場では『慎吾君、起きて!』と思うこともあったけど」と暴露(?)されるひと幕も。その観月も香取曰く「一発目入ってきて歌うところが、今まで(稽古場)と違って“本気”みたいなやつだった」とのことで、ふたりの舞台度胸の良さが窺える。

それぞれ4年ぶり、7年ぶりの舞台出演となる香取と観月を、舞台経験豊富な山本は「お客さんの注目をすぐに引っ張れるのは持って生まれた力。悔しいですけど、だからこそ支え甲斐があります」と絶賛。それを受けた香取が、「ほめていただいて…」と恐縮する素振りを見せてから「お前エラそうだな!」とツッコむと、会場が笑いに包まれる。舞台歴こそまちまちだが、 実は3人とも同じ歳。どうやら、互いに思ったことを言い合える同志のような関係にあるようだ。

最後には、山本と観月の「香取慎吾の100%の力を観に来てください」という言葉を受け、香取が「この3人でミュージカルをエンジョイしてやってます。僕の120%を観に来てください!」と自信たっぷりにアピール。ゲネプロの4倍ダンディになった香取ダニーが、本番の舞台をさらにゴージャスに彩ってくれることだろう。

公演は7月6日(日)まで東京・東急シアターオーブにて上演中。チケットは、セブン-イレブン、サークルK・サンクス、ぴあ店頭での直接購入か、0570-02-9999(Pコード:436-768)にて販売中。

取材・文:町田麻子