ミュージカル『天才執事ジーヴス』  ミュージカル『天才執事ジーヴス』 

『オペラ座の怪人』などで知られる巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲を手掛けて1975年に初演、1996年には再演版が、さらに2001年にはブロードウェイ版が上演されたミュージカル『天才執事ジーヴス』。原作は英国の国民的作家、P.G.ウッドハウスの小説〈ジーヴス・シリーズ>で、お気楽だが憎めない青年貴族バーティ・ウースターと、彼に仕える忠実な天才執事ジーヴスのコンビが繰り広げる名作コメディだ。その日本版が7月、ウエンツ瑛士と里見浩太朗のダブル主演で実現する。実は両者とも、これがミュージカル初出演。同ミュージカルの出演について話を聞いた。

ミュージカル『天才執事ジーヴス』チケット情報

時は20世紀初頭。ロンドンの教会でバーティ(ウエンツ)がバンジョーの独演会を催そうとするところから、物語は始まる。だが本番直前に楽器がないことに気づいたバーティは、執事ジーヴス(里見)の提案で、急きょ友人たちの恋を成就させようと悪戦苦闘した話を織り込んだ即興劇を上演することに。元婚約者で肉食系女子のオノリア(樹里咲穂)や、カタブツの裁判官バセット(モト冬樹)、ジーヴスの姪で小悪魔なスティッフィー(高橋愛)ら、ひと癖もふた癖もある人々が右往左往するなか、なんとか舞台の幕を開けるのだが…。

歌手としても多くのファンを持つふたりだが、ミュージカルならではの“歌稽古”は新鮮だったとか。「ミュージカルは“役どころに応じて言葉を楽曲に乗せて歌う歌”。前後の芝居があってこそ素敵に輝くと思うので、早く役に入り込んで歌ってみたいです」とウエンツは話す。里見もうなずきながら「ミュージカル俳優としては僕も1年生ですから、まだまだ難しいことだらけ(笑)。でもウエンツくんの歌に僕が合いの手を入れるシーンもありますし、お互い役に入り込んで歌えたら素敵だろうなと今から楽しみです」と笑顔で語った。

英国でのドラマ版はもちろん、日本でもコミック版が人気を集めるなど、今も世界中で愛されている〈ジーヴス・シリーズ>。その魅力について、「とても英国らしい上質なコメディなんです」と言う里見。続けて「貴族とその周辺の人々のお話ですから、いかに自然に日本のお客様に伝えるかは考えなければ」と表情を引き締めた。ウエンツも「ドタバタのコメディではなく、さりげなくクスッとさせる間接的な笑いなんです。一つひとつを丁寧に重ねていかないと一気に崩れてしまう繊細さもあるので、そこは気をつけたいですね」と、すでに台本をじっくり読み込んでいる様子だ。

「お客様が楽しんでいる笑顔を見ると、こちらも力が湧くんです」(ウエンツ)、「緞帳が降りる瞬間の拍手ほど、役者冥利に尽きるものはないですね」(里見)と、それぞれに舞台の醍醐味を語ったふたり。新たな挑戦を経てどういう表情を見せてくれるのか、要注目だ。

7月4日(金)から13日(日)まで東京・日生劇場にて。チケット発売中。なおチケットをインターネットで購入した方向けに抽選で「稽古場見学会」に招待するキャンペーンを実施中。受付は6月15日(日)まで。詳細は下記チケットリンクにて。

取材・文:佐藤さくら

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