左から、大倉孝二、ブルー&スカイ  源 賀津己 左から、大倉孝二、ブルー&スカイ  撮影:源 賀津己

大倉孝二とブルー&スカイのふたりが、2012年の『持ち主、登場』以来となる新作を発表。「ジョンソン&ジャクソン」という新たなるコンビ名のもと、『窓に映るエレジー』を7月に上演する。そこで作・演出も担う大倉とブルー&スカイに、現在の思いを訊いた。

まずはコンビ名について、大倉から「僕がジョンソンで、ブルーさんがジャクソンです」との説明が。するとブルー&スカイから、彼らのバックボーンが訥々と語られ始める。「このふたりは外国のギャングのメンバーだったんです。でも組織の金に手をつけてしまい日本に逃げて来た。で、やることもないから、演劇でもやってみようかって話になって…」。そこで大倉が「それなんでいきなり取材で話すの!?(笑)」とひと言。どうやらこの話、大倉にとっても初耳だったようで、「それならそれでいいですけど、内容の話ではないですよ」と苦笑いを浮かべる。

肝心の内容については、「演劇をちゃんとやってみたいんです。で、そこから崩していければ」とブルー&スカイが構想を明かすと、それを受け大倉は、「たぶん僕とブルーさんだと、崩すことには大して苦労しない。だから崩す前の、真っ当な部分が一番苦労すると思います(笑)」と語り、そんなやり取りにもナンセンスにこだわってきた彼ららしさが垣間見える。

ゲストには続投となる村岡希美のほか、池谷のぶえ、菊池明明、川原一馬、さらに池田成志という強力なメンバーが名を連ねる。「成志さんに出てもらうのはかなりのチャレンジ。でもそれくらいの起爆剤があった方が面白いんじゃないかと思って」とは大倉。ブルー&スカイも、「何となく成志さんには怖そうなイメージがあったんです。でも僕も40歳を過ぎて、そんなイメージから逃げてちゃいけないかなと。それよりも、面白くなる可能性を大事にしようと思ったんです」と意気込む。

前作の手ごたえを尋ねると、「よくないです。手ごたえなんか全然ない」と意外な返答が。だがふたりは「これ実は、僕らが一番楽しいんだと思います」と少年のように笑う。さらに大倉は「ただ今回も僕が思う限り相当いい人たちが集まりましたし、これで面白くないわけがない。まぁ間違いないです!」と強気のアピール。するとブルー&スカイは、「なんか笑うと健康になるらしいですよね。だから健康が気になる方には、ぜひ観に来て欲しいです」と、何ともブルー&スカイらしい(?)言葉で取材を締めくくってくれた。

公演は7月24日(木)から8月6日(水)まで東京・CBGKシブゲキ!!にて。チケット発売中。

取材・文:野上瑠美子