ライブの模様 Photo by 岡村直昭 ライブの模様 Photo by 岡村直昭

6月14日(土)東京・Zher the ZOO YOYOGIで「y's presents『貴ちゃんナイト vol.6』」が開催された。

同イベントはラジオパーソナリティの中村貴子が「このアーティストが好き!」「この組み合わせでライブが見たい!」という想いを具現化したもので、そもそも中村のリスナーが自主的に始めたDJイベントからスタートした。6回目を数える今回も、ブッキングからライブ運営の細部に至るまで中村の想いが満ち溢れていた。

トップバッターは、2011年に開催された「貴ちゃんナイトvol.2」にUNDER THE COUNTERのメンバーとして参加し、バンド解散後ソロ活動を展開している関谷謙太郎と、実弟のフジタタカノブ率いる(the)bedsによる一夜限りのスペシャル・バンド。学生時代、実家の二段ベッドで中村が担当していたNHK-FMのラジオ番組「ミュージックスクエア」を兄弟で熱心に聴いていたエピソードを披露。続いて中村一義が町田昌弘とのアコースティックセットで登場。軽快なMCで笑いを誘いながら『犬と猫』で一気に場内をひとつに。『ジュビリー』ではサビの歌唱をファンに任せ、『1, 2, 3』で最高潮の盛り上がり。そしてトリを務めたのは独自のスタンスを貫きシーンに君臨するカーネーション。直枝政広(vo、g)は、「ミュージックスクエア」のテーマ曲に抜擢してくれたことが嬉しかったと『恋の不思議惑星』を披露、圧倒的な演奏力で至極の音楽空間を作り上げた。

アンコールはまずはカーネーションが『EDO RIVER』を、続いて中村一義を加えて『キャノンボール』、さらに関谷謙太郎+(the)bedsも加わりカーネーションの楽曲で森高千里がカバーしたことでも知られる『夜の煙突』をセッションして盛大に幕を閉じた。数ある音楽イベントの中でも、これほど主催者の想いが出演者とファンの胸に届き、笑顔が溢れる公演はほかにないだろう。たまらなく幸せな気持ちにさせてもらった。
(取材・文/浅野保志)