大人でも思わずほしくなるおもちゃたち

6月12日~15日、東京・お台場の東京ビッグサイトで、おもちゃの展示会「東京おもちゃショー2014」(日本玩具協会主催)が開催され、子ども向けのおもちゃから大人もわくわくするハイテクおもちゃまで、最新のおもちゃが一堂に会した。

国内外の約150社の企業や団体が出展し、約16万人が足を運んだ今年のおもちゃショー。今回のトレンドは「新技術・新提案・新コンセプトのおもちゃ」で、バラエティ溢れる製品が並んだ。

●未来の乗り物、リニアモーターカーが自宅に!?

おもちゃといえども侮れない。タカラトミーは、磁力で本体を浮上させ、高速で走行する本格的なリニアモーターカー「リニアライナー」を展示した。車両の大きさは約135mmと手のひらサイズ。レールからわずかに浮いた状態で走行し、最速で650km/hのスケールスピード(100分の1相当)が出る。

レールの左右にラバーマグネットを、本体底面の四隅に浮上用マグネットを埋め込み、双方の磁力の反発力で約2mm浮上する磁気浮上式。本体には磁力センサとコイルに磁力を発生させるためのリチウムバッテリを搭載する。重さは約40gだ。

展示ブースで写真を撮ったが、撮影時はスケールスピード470km/hをマーク。あまりの速さにシャッターが追いつかなかった。走行音がまるでしないのも印象的だった。タカラトミーは、2015年の発売を目指す。

タカラトミーは、クルマ型のリニアモーターカー「リアル未来カー」も参考出品。まだ外装のないコンセプト展示だったが、専用コントローラで1cmほど浮上した状態で、前後左右に動かすことができた。

「リアル未来カー」は、アルミ板の上を磁石が触れないように高速で動かすと発生する物理現象、渦電流を生かした渦電流リニアモーターを採用。渦電流が起きるとアルミ内で自由電子が動き出し、アルミと磁石が反発する力として作用する。アルミ板の上でしか遊べないといった課題もあるが、3年後の商品化を目指している。

●一家に一台の時代がすぐそこに!? 各社力を入れるロボット玩具

大人もほしくなるおもちゃの代表といえば、ロボット玩具だろう。自動で動くだけではなく、いまやユーザーとコミュニケーションを取ることができる。

タカラトミーの「Hello!MiP(ハローミップ)」は、バランス感覚が抜群の2輪自立のロボットだ。2輪で立ち続けるのは難しいが、上体をうまく傾けてバランスを取り、走ったり踊ったりする。Bluetoothに対応し、専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレット端末で操作できる。車輪を回して、「コントロールモード」「ダンスモード」「バランスモード」「自由走行モード」「学習モード」「逃走モード」を切り替えることができる。

身長約19cm、重さ約350gと小柄ながらも力持ちで、自分の体重と同程度のミニペットボトルや缶ジュースをお盆に乗せて運ぶ技もみせる。税別価格は1万5000円で、6月21日に発売する。

ロボットといえば、ソニーが1999年に発売した犬型ロボット「AIBO(アイボ)」が巻き起こしたペットロボットブームが思い出される。音声でコミュニケーションを取ることができるタカラトミーの「Hello!Zoomer(ハローズーマー)」は、そんな犬型ペットロボットの最新モデルだ。ダルメシアンがモチーフで、白黒ブチの模様は1万種類以上。まさに世界で1匹だけのペットロボットが手に入る。

コミュニケーションを取るには、「Hello!Zoomer」の鼻を押してうなずかせると目のLEDランプに「?」が表示され、音声入力ができるようになる。背中にあるマイクに向かって「お手」や「おやすみ」など声をかけると認識する。目のLEDランプは、ハートマークやクエスチョンマークなどを表示して感情を表す。税別価格は1万5000円で、発売は7月26日。

同じ犬型ロボット、セガトイズの「ハートエナジー プーチ」は、2000年に発売した犬型ロボット「プーチ」を大幅に進化させた14年ぶりの新製品。

鼻と背中、シッポにタッチセンサを内蔵。鼻や背中を撫でたり触ったりすると機嫌がよくなり、逆にしっぽに触れると機嫌が悪くなる。頬にLEDを内蔵し、赤ならごきげん、オレンジならまあまあ、緑は不機嫌、という具合に、感情のバロメータになる。税別価格は5980円で、7月の発売。

セガトイズの「夢ペット」シリーズは、より本物の動物に近いペットロボット。ペットを飼いたくてもいろいろな事情で飼えない世帯がターゲットで、ロボットというよりも動物に近い動きや反応をする。

「夢ねこセレブ」は猫型のロボットで、撫でるとのどを鳴らしたり、なつくようなそぶりをする。表情も変わり、撫でると気持ちよさそうに目を細める。税別価格は1万1000円で、発売は7月。