NHK大河ドラマ「西郷どん」第18話の試写会が9日、東京都内で行われ、主演の鈴木亮平が会見した。

 幕府に追われた西郷吉之助(隆盛)が奄美大島・沖永良部島に流される新章“島編”の第1回。大河ドラマとしては異例の、2月末から3週間の現地ロケを行ったが、鈴木は「まず、予算が大丈夫かなと思った」と冗談めかす。それでも、「恵まれた環境を用意してもらえた。江戸編の最後の方は気持ちも落ち込み、体力的にも限界に近くて暗かった。精神衛生上も良かった」と相好を崩した。

 奄美大島で吉之助は、運命の人・愛加那と出会い結婚し子どもをもうける。「脚本が恋愛もので、まるで違うドラマ。1度死んだ人間が再生するということで、それまでに無意識に持っていたルールをすべて忘れ、生まれ変わった人間として演じた」と振り返った。愛加那を演じた二階堂ふみに対しては、「本当に素晴らしい。感性の化け物。しかも努力をしているので、最初は引っ張っていこうと思っていたけれど、すべて委ねれば吉之助の成長になる、と気持ちを切り替えた」と絶賛した。

 島編は第25回までで、吉之助はその後、薩摩に戻り激動の幕末へと身を投じていく。撮影は既にその部分に入っており、「島で天命を感じ、人への愛、感謝を知ったことで、(薩摩に)帰ってからは腹が据わって余裕が出てきている。以前は情に訴えていたが、相手により良いビジョンを見せようと交渉するようになる。皆さんが想像する隆盛像に、だいぶ近づいているはずです」と手応えを感じている様子だった。

 第18話は、13日午後8時からNHK総合テレビで放送される。