『岸辺の旅』 (C)「岸辺の旅」製作委員会

黒沢清監督が深津絵里と浅野忠信を主演に迎えて最新作『岸辺の旅』を製作することが発表された。ふたりは夫婦役を演じる。

その他の情報

『岸辺の旅』は、湯本香樹実が2010年に発表した同名小説を、黒沢監督と『私の男』などの脚本も手がけている宇治田隆史の脚本で映画化するもので、3年間失踪した夫が突然帰ってきたことを機に、はなればなれになっていた夫婦が旅に出る姿を描く。

本作で初めて黒沢作品に出演する深津は「初めての黒沢組、浅野さんとの共演、ただただ楽しみです。監督の思い描く、独特な世界にどーんと飛び込みたいと思います。そして自分でも驚くほど似た者同士な浅野さんとの夫婦役。このステキなめぐり合わせを大切にして私たちなりの夫婦になれたらと思います」と言い、『アカルイミライ』以来、12年ぶりに黒沢監督とタッグを組む浅野は「変わらない演出と今までとは違う、今の監督だけにある想いを感じていきたいです。そして、深津さんだけにしかない強烈な存在感を放っている、深津さんとの共演。普通の夫婦役とは違う距離感を保ちながら、深津さんに頼っていければ良いと思っています」とコメント。

黒沢監督は「湯本香樹実さんの『岸辺の旅』を人に薦められて、まずは小説として大変面白く読みました。誰もが体験する、愛する人との別れについて描いている作品を、誰も見たことのないような映画にすることができるよう挑戦してみたいと思いました。現実味をもって『岸辺の旅』の世界のヒロインを演じられる方として、真っ先に深津絵里さんが浮かびました。また、特殊な設定の人物である夫役には、圧倒的な存在感が必要で、浅野忠信さんしかいないと思いました。何があっても揺らがない超人、深津絵里さん、揺らぎ続ける天才、浅野忠信さん、日本を代表するふたりの俳優とご一緒できてこの上ない幸せです」と語っている。

本作は日本だけでなくフランスでの配給も決定しており、2015年にフランスで100~150館規模で公開される予定。黒沢監督の作品はフランスでも人気があり、『贖罪』は1部と2部の公開で170000人以上の観客を動員している。

『岸辺の旅』
2015年公開