深田恭子、佐々木蔵之介

秀逸なオリジナル脚本に与えられる城戸賞受賞作を『鴨川ホルモー』の本木克英監督が映画化した『超高速!参勤交代』。民からも藩士からも好かれるお人よしの殿に扮し主演を務めた佐々木蔵之介と、ヒロイン・お咲を演じた深田恭子のふたりが痛快歴史エンターテインメントを振り返った。

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徳川吉宗の治世。東北の小藩・湯長谷藩にあらぬ嫌疑がかけられ、幕府から実質たった4日で参勤せよとのお達しが下る。藩主・内藤政醇(まさあつ)らは、人も資金もない中、藩のプライドを守るべく参勤を決意。幾多のピンチに見舞われながら難題に立ち向かっていく。

「まずタイトルがすごいですよね。参勤交代に超高速!が付いたら、こんなにもポップでパンチのあるユニークなタイトルになるんやって」と軽快に話し始めた佐々木。続けて「時代モノって人の名前とか、前にさかのぼって読んだりする時があるけれど、今回はそういうことが全くなく、すべてのキャラクターが立体的にくっきりと描かれていて一気に読めました。最後には大立ち回りのカタルシスもあるしね。おみごと!」と絶賛。深田も「参勤交代を身近に感じられる作品になっていると思います。世代を問わずにみなさんに楽しんでもらえるんじゃないかな」と素直な感想を口にした。

本編の見どころは湯長谷藩の面々がピンチに一致団結して対処していく姿だが、政醇とお咲のロマンスも作品をより一層魅力的なものにしている。「お咲は気性の荒い部分があるんですけど、政醇さんと出会うことによって気持ちが解けていくんです。でもあまり役作りをする必要はありませんでした。政醇さんが、怪我をしていた私の手に薬を塗ってくださるシーンがあるんですが、実際に私もキュンキュンしちゃって。お咲の気持ちそのままでした」と深田が告白すると、佐々木も照れながら、役者同士が対峙して初めて生まれる瞬間について語った。「出会いの場面、庭で木に縛られていたお咲を見て気にするとなっていたんですが、なぜ気になるのか、実ははっきり分かっていませんでした。でも、実際に深田さんが扮したお咲を見た瞬間に、もう政醇はトキめいていた。美しかったし、とても力強かったですね」。

『超高速!参勤交代』
6月21日(土)より全国公開

取材・文・写真:望月ふみ
ヘアメイク(佐々木蔵之介):西岡達也(vitamins)