妻夫木聡

俳優の妻夫木聡が18日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演作『ぼくたちの家族』の公開記念トークショーに、作家で俳優のリリー・フランキーとともに出席した。本作で初共演を果たした、所属事務所の後輩・池松壮亮を「ずっと共演したかった。大好きな俳優」と絶賛。リリーも「相変わらず天才ですね」と池松の演技に舌を巻いていた。

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突然下った母親の余命宣告をきっかけに、父親とふたりの息子たちが“最後の悪あがき”をしながら、新しい家族の形を模索するヒューマンドラマ。前作『舟を編む』で旋風を巻き起こした石井裕也監督が、早見和真の同名小説を映画化した。

妻夫木は新作『バンクーバーの朝日』(12月公開)で、石井監督と再タッグを組んでおり、「形にハマるのが好きじゃない監督。新作でもまったく違うアプローチで演出している」。リリーは「デビュー以来、こんなに安定した監督は珍しい。これだけ多作で、クオリティを下げないなんて」と現在30歳の若き“巨匠”に太鼓判を押した。

本作が描く“家族”というテーマについては「どの家族にも問題はありますよ。今回は兄を演じたが、実際には次男なので、兄っていろんなものを背負っているのかなと思った」(妻夫木)。リリーは「ブッキー(妻夫木)は家族と仲いいもんね。月イチで一緒に旅行行っているでしょ」と明かし、「どんなに成功しても、いい家族を作ることが一番難しい。最後は家族に戻る、というのは人間の習性であり、憧れなのかもしれない」と持論を展開した。

映画は第38回モントリオール世界映画祭のワールド・グレイツ部門に続き、釜山国際映画祭への出品が決定している。

『ぼくたちの家族』
公開中

取材・文・写真:内田 涼