カシオ計算機が「事業撤退」を発表、以前から撤退をほのめかしていたため、業界では「やはりそうか…」との見方も強かったが、レンズ一体型のコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)市場で屈指のシェアをもつメーカーが撤退に追い込まれるというのは大きな衝撃だ。 家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によれば、ここ数年、コンデジ全体の販売台数は前年を下回っている。2017年の年末から直近の動きをみると、11月は前年並みに戻したものの、その後は前年同月比で80%台と厳しい状況が続いている。そうしたなか、カシオは17年12月と18年2月に前年同月を上回ったが、それ以外は、2ケタ割れに陥っていた。

一方、コンデジ全体の販売金額では、17年の年末を境に1ケタ割れが色濃く現われたが、販売台数と比べると、若干、落ち着いている感はある。ただ、今年に入ってからは、2ケタ割れが鮮明化していく。そうしたなか、カシオは17年4月から8月まで前年同月を上回ったほか、需要が最も見込める12月も微増となった。ただ、今年に入ってからは停滞し、直近の4月では前年同月比67.4%と大きく後退した。

カシオの18年3月期連結決算は、売上高が3147億9000万円(前期比2.0%減)、営業利益が295億6800万円(3.5%減)。営業利益が減少した大きな原因は、デジカメ事業の不振にほかならない。同事業は、計画差がマイナス44億円となり、49億円の赤字となった。ここ数年、カシオはメーカー別販売台数シェアが10%台で3位につけていた。その上位メーカーが撤退せざるを得ないほど、コンデジ市場が生半可な取り組みでは生き残れないということを物語っている。(BCN・佐相彰彦)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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