その神社とは、上賀茂神社と下鴨神社。この二つの神社はどういう関係であるかと言いますと、上賀茂神社は「賀茂別雷神社」、下鴨神社は「賀茂御祖神社」という、どちらも賀茂氏という氏族の氏神様を祀る神社です。そして、これらの二つの神社は「賀茂神社」と総称されています。

伊勢神宮が20年に一度の遷宮であれば、賀茂神社は21年に一度の遷宮。つまり伊勢神宮が神道の総本山だとすれば、上賀茂神社が日本の国神・天照大御神が祀られている内宮だとしたら、下鴨神社は衣食住を司る豊受大神が祀られている外宮だと考えるといいでしょう。ただ、伊勢神宮のように完全に社殿を建て替えるというのではなく、賀茂神社の遷宮は社殿の修復が中心です。国宝・重要文化遺産にも認定されている建造物の桧皮屋根の葺き替え作業や飾りの修復、漆等が塗られた箇所の修理。狛犬などもこのタイミングで修復されます。

だからといって簡単に終わるものではなく、その費用は、上賀茂神社が23億、下鴨神社が40億というのでとても大掛かり。そんな大規模な工事が今まさに行われていて、どんどん新しく生まれ変わっている運気上昇スポットです。

 

また、どちらの神社も遷宮があってもなくても観光地としての人気は抜群。今年も5月15日に行われた京都三大祭の一つとされる「葵祭」では、京都の町を平安貴族の様子そのままに再現した人々総勢500名以上が、立派な馬を何頭も連れて下鴨神社から上賀茂神社まで行列となって歩きます。王朝風俗の伝統が残されている華麗で風靡な行列なので、その姿を見ようと全国から観光客が訪れます。