オリンパスの2018年3月期は増収増益。内視鏡を中心に好調だった医療事業がけん引したが、カメラ事業単体では減収減益だった

オリンパスは5月11日、2018年3月期(17年4月~18年3月)の決算を発表した。売上高は7865億円で前期比6.2%増、営業利益は810億円で13.8%増、純利益は570億円で33.4%増。売上構成比の約8割を占める医療事業が好調で全体の数字を押し上げ、増収増益を達成した。しかし、その裏で広告塔ともいえるデジタルカメラ(デジカメ)を含む映像事業は売上高が608億円の前期比4.0%減、営業損益は12億円のマイナスと苦戦した。

カメラ事業は市場全体の動向と同じく、存在感が増しているミラーレス一眼は好調に推移した。一方、先日のカシオ計算機の事業撤退が記憶に新しいコンパクトデジカメ(コンデジ)は、市場の縮小を受けて販売台数の絞り込みを実施。事業の減収につながった。

映像事業の営業損失は減収だけが原因ではない。海外拠点の再編に伴う支出も影響を与えている。これまではベトナム(ドンナン省)と中国(深セン市)の2か所に展開していた生産拠点を5月7日からベトナムに集約。生産拠点の中国工場の老朽化に伴う競争力の低下を受け、生産効率・収益性向上を図るための決断だという。しばらくは商品供給にも制約が発生するため、2019年3月期の決算にも影響を及ぼす可能性がある。

ミラーレス一眼の国内市場は長年オリンパスがけん引してきたが、今年に入ってキヤノンが同分野でNo.1を目指すことを宣言。現に3月26日に発売した「EOS Kiss M」は、登場以来、家電量販店やECの実売データを集計している「BCNランキング」で高シェアをマークするなど、競争はすでに激化している。背後に迫るキヤノンの追撃をかわすためにも、生産拠点の集約と供給の正常化には迅速な対応が求められそうだ。(BCN・大蔵 大輔)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます