<地域No.1店舗の売れる秘訣・エディオン柏店>競合がひしめくなかで商圏2km リピート率65%を支える接客術

2014.7.2 13:44配信

千葉県内で唯一のエディオングループの店舗、エディオン柏店。売り場面積は1400m2ほどと決して大きくはないが、リピート率65%という高い顧客定着率を誇る。お客様に「また来たい」と思わせる一番の武器は接客だ。とくにトラブル応対に気を配ることで、地域のお客様から絶大なる信頼を獲得している。(取材・文/佐相彰彦)

エディオン柏店

住所 千葉県柏市中原1-23-2

オープン日 1999年2月

売り場面積 約1400m2

従業員数 34人(アルバイト含む)

●駅前とモールで競争激化 エディオンは住宅街に出店

千葉県柏市のターミナル駅、柏駅周辺は、百貨店のそごう柏店や柏タカシマヤのほか、飲食・物販店などが建ち並ぶ県北西部の一大ショッピング街になっている。家電量販店は、2005年3月、駅前にビックカメラ柏店がオープン。デジタル機器を中心に最新モデルを豊富に揃え、デモコーナーの充実など、客を飽きさせない工夫で、地域の代表的な量販店として定着している。

柏市は、駅前だけでなく、郊外のショッピングモールも賑やかで、休日ともなれば多くの人が押し寄せる。柏駅の北、国道16号の松ヶ崎に双日新都市開発が運営するショッピングモールのモラージュ柏、イオンタウンが運営するイオンタウン松ヶ崎があり、近くにはヤマダ電機テックランド柏店、コジマ×ビックカメラ柏店が出店。ファミリーの来店が多い。とくにヤマダ電機テックランド柏店は、全国のヤマダ電機のなかでも売り上げ上位の常連だ。

また、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅近くのららぽーと柏の葉には、今年4月にノジマららぽーと柏の葉店がオープン。ノジマが得意とするショッピングセンター内の出店とあって、堅実にお客様を獲得している。

隣接する松戸市や流山市、我孫子市などからの集客もあって、柏市の家電量販店は、都市型店舗と郊外型店舗が激しい競争を繰り広げている。こうした環境のなかで、エディオン柏店は市南部の住宅街、中原に出店。県内唯一のエディオングループの店舗として、他社とは異なる戦略で成功しているのだ。

●接客は「一を聞いて十を知る」 自宅への訪問で安心感を与える

エディオン柏店は、もともとは石丸電気のブランドで展開していた店舗。ブランド統合で、2012年にエディオンに生まれ変わった。周辺は高齢者の多い住宅地で、商品の購入や相談に訪れるお客様だけでなく、スタッフとの会話を楽しむために来店する人も多い。商圏は2kmとかなり狭く、約1400m2の売り場面積も競合店と比べると見劣りがする。しかし、河西将英店長が「お客様のリピート率は65%」というように、周辺住民を固定客としてがっちり確保し、しかも「年を追うごとにお客様の数は増えている」という。

狭い商圏のなかで、どのように固定客を増やしているのか。河西店長は、「65歳以上のお客様を主要客層に据えて、接客や売り場づくりに力を入れている」と、客層を特化していることを挙げる。

売り場は、白物家電とデジタル機器でエリアを分け、さらに大型商品と小型商品のエリアに分けることで、「お客様からは『店に入って、目あての商品のコーナーまで到達しやすい』という声をいただいている」という。各エリアの境には大きな通路を確保し、目的の売り場に行きやすい工夫をしている。さらに、「商品の大きな配置換えなどは行わない」(河西店長)ことも大きい。再来店でも、迷わずに目的のコーナーに行くことができるのだ。

品揃えは、高齢者向けの商品が充実。その一つが携帯ラジオだ。また、レジ近くには電球などの消耗品を置き、とくに配慮して多くの商品を揃えている。この地域ならではの売れ筋商品は、「シャワートイレ」。周辺の住宅街では古い戸建てが多く、リフォーム案件で必ずといっていいほど注文があるそうだ。

お客様が最も評価しているのが接客だ。商品の機能や用途をわかりやすく説明するのはもちろんだが、河西店長は、「一を聞いて十を知る接客を心がけている」という。お客様のご要望を根掘り葉掘り聞くのではなく、お客様が話す内容から、何にお困りなのか、どんな商品が欲しいのかをすばやく把握して、的確にアドバイスする。この接客が高齢者の心をつかんでいるのだ。トラブル対応には、とくに気をつかっている。「電話でお問い合わせをいただいて、その場では解決できないと判断したら、スタッフがお客様のご自宅まで行って解決する」(河西店長)。狭い商圏を逆手に取ったこの行動が、お客様に安心感を与えているのだ。シャワートイレの販売では、スタッフがお客様の様子をうかがいに家を訪問するケースもあり、それもお客様の信頼獲得につながっている。

立地条件に合った客層特化の戦略は、がっちりとお客様の心を捉えた。「それに伴って売り上げも伸びている」と、河西店長は自信をみせる。

●店長が語る人気の理由――河西将英 店長

2000年に入社。千葉・茨城で現場のスタッフとして従事した。地域密着型の郊外店での経験が長いが、「お客様との画一的なコミュニケーションマニュアルは定めていない。いまでも勉強の日々」と、気を引き締めている。

柏店の店長就任から3年。着任当時は石丸電気ブランドで、数か月後にエディオンにリニューアルした。ブランドの変更によって、お客様は増えた。スタッフはベテランが多く、平均年齢は43歳。他店と比べると年齢は高いほうだが、そのスタッフが「一を聞いて十を知る接客」を実現する。河西店長の采配とスタッフの高いスキルが、固定客の増加という成果に結びついた。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年6月23日付 vol.1535より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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